うたまるさん

コインロッカーの女のうたまるさんのレビュー・感想・評価

コインロッカーの女(2015年製作の映画)
2.9
実にもったいないと感じてしまった作品。

「10人の泥棒たち」のキム・ヘスと「君が描く光」のキム・ゴウンが主演。演技派の二人と超イケメンなパク・ボゴム君とのキャスティングに不満なし。

ストーリーの内容としては、コインロッカーに捨てられた赤ちゃんが犯罪組織の女に引き取られた後に、犯罪者として育てられ、生きるためには恐喝や殺人ですら躊躇しない少女イリョンが主人公。

ある日、イリョンは組織から借金回収のために債務者の息子パク・ソッキュンに追い込みをかけるように命じられる。
ソッキュンは父子二人で育てられるも人を疑うことを知らない、イリョンとは正反対の性格だった。そんな彼は借金を回収にきたイリョンにさえ、気遣って食事を作ってあげる。
イリョンは生まれてから誰からも優しくされたことがなかったため、初めての感情に本人も戸惑ってはいたが、次第に不思議な魅力を持つソッキュンのことが気になっていくのだった。
そんな時に、ソッキュンの父親が出稼ぎに行ったフィリピンで失踪してしまい、ソッキュンを殺して、体の各パーツを切り売りするように命じられてしまうのだった……なんて、抜群のストーリー性!

当然、こんなストーリーですから一級の韓国ノワールでもいけますし、キム・ゴウンに頑張ってもらって復讐アクションムービーでもいいし、パク・ゴボムとの儚いラブストーリーにだって出来る…。
そう考えると、つくづくもったいない!
切ない気持ちにさせるのならキム・ギドク監督作品みたいにもできたと思うのだが、どの方向にも針は振れない💦

だいぶ前から予告編を観て、気になっていただけに、期待はずれな内容には思わず私自身が切なくなってしまいました。
もちろん、本作を高く評価されている方も多いので、むしろ私のような感想は極めて少数ではありますが、エピローグを観てもスッキリできない内容にガッカリ…。
そもそも、18禁だったのも理由がわからない。

唯一、褒めるところを挙げるとすれば。キム・ゴウンが途中から可愛くなっていくところと、相変わらずキム・ヘスはどんな役でもこなせるなぁと感心できるところでしょうか。
それを感じたい人にはオススメの作品ですよ。
うたまるさん

うたまるさん