仮面の大使

海賊とよばれた男の仮面の大使のレビュー・感想・評価

海賊とよばれた男(2016年製作の映画)
3.4
 どんな状況でも諦めなかった男の映画。

 原作既読。内容がボリューミーなので、2時間に収めるには至難の業だったと思うけど、一つのストーリーとして完結しているのは良かったと思う。ただ、原作好きとしては、この作品は映画よりもドラマでじっくりやってほしかった。今作と同じ百田尚樹原作で山崎貴監督の『永遠の0』を見たときも同じように感じた。

 話は、石統や石油メジャー会社から様々な妨害を受けながらも、主人公の国岡鐵造は自身の信念に従って国岡商店を運営していくというもの。

 見てて思ったのが、国岡商店の人は本当に楽しそうに仕事をするということ。それは店主である国岡鐵造がとても魅力的な人物だからだろう。どんなに無理難題を言われてもこの店主のためならやってやろうじゃないかというモノを感じた。鐵造がとても熱量があるからなのかな。その熱量に見てるこちら側も思わず、国岡商店で働きたいと思えてくる。

 ラストの死んでしまった彼や別れた妻、そしてずっと支えてくれた店員たちと一緒に舟に乗って、「国岡のもんよ。油持ってきたけ」というシーンに涙。現実的に絶対あり得ないシーンだけど、だからこそいい夢だと感じた。

 
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