しん

海賊とよばれた男のしんのレビュー・感想・評価

海賊とよばれた男(2016年製作の映画)
3.6
 ある企業に焦点を当てた、実話に基づくお話。戦時中、戦後の日本において、今後を見据え、伝統にとらわれず、周りの人間に冷たい目で見られていることも気にせず、ただ一心に会社を盛り立てるため、会社を後世にも残すために奮闘した男の物語。GHQ統治下の日本であっても、これほど豪胆な人間がいたのだろうか。いや、いたからこそ今を支える会社が今も続いているのだろう。では自分に当てはめたらどうか。きっとそんな生き方はできない。さきがけを行くタイプではなく、その後ろについていくタイプだ。誰に何を言われようと、自分の信念を曲げずに突き進む。その生き様は男としては憧れざるを得ない。今後を支える若者が、彼についていこうという気持ちもよくわかる。環境や時代の変化で失敗してしまうことも、家庭を蔑ろにしてしまうこともあるが、そういう失敗をしてこその成功がある。つらく、大変な道のりの先に新たな希望がある。その道のりの先頭に立つものこそが、未来への道しるべとなり、後ろについてくるものの支えとならなければならない。そんな、現代の経営陣だけでなく、自分たち若い世代に対してのメッセージを感じた。
 演出、キャスト共に、映画で伝えたいメッセージ、雰囲気を出せる陣営だったので、なかなか濃密な内容になっていると感じた。
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