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カルテル・ランドのpachiのレビュー・感想・評価

カルテル・ランド(2015年製作の映画)
4.1
メキシコの麻薬戦争への潜入ドキュメンタリー。
今話題のアメリカとメキシコの国境を自主的に警備する自警団、メキシコの麻薬カルテル『テンプル騎士団』、街の医者ミレレスが中心に立ち上げた自警団、軍隊・警察・政府、そして住民。様々な人の意見や思惑、利害、それを守るための『正義』という名の暴力や圧力。
なにが正しくてなにが悪なのか。
自分のいる立ち位置や立場によって見える景色は変わる。
メキシコは、もう国が壊れてるように見えるかもしれないけど、これはあくまでも『そう見えやすい』国というだけで、どの国もこう言ったことは起きてると思う。
自分の目の前の家族や友達たちだけでも守りたい、平和でいたい、それが当たり前の感情であって、それをするための手段が違うからぶつかり合うのかな。でもね、超えてはいけない一線超えた時点で誰かからは悪魔になる。それだけは忘れちゃいけないし、絶対に超えてはいけない。
怒りと悲しみ、そしてやりどころのない失望感を覚える映画。
でも、ドキュメンタリー映画の中で、各シーンがとてもドラマティックでリアル。様々なカットも、まるで写真のように頭に残るくらい綺麗に捉えている。
ドキュメンタリー映画としての質がかなり高い。
衝撃的なエピソードやそれこそいくつかエグいシーンもあるので、苦手な人もいるかもだけど、これが現実にあるということを目をそらさずに見ておいた方が良いと思う。形を変えて日本にもある話だと思うし、自らの日常に感謝する、それに気付かされる映画だった。

そして、これだけは肝に命じておきたい。
『立場を変えることによって見える景色は変わる』
ということ。押し付けられる筋合いはないし、押し付けるつもりはない。それでいい。

あ、そういえば、割とはじめの方で、ミレレスが自警団を結成するかどうかMTGするシーン、左側の人のノート、ガッツリとフリーメーソンのマークが入っているノート使ってたのが気になった!w

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