久しぶりながら、相変わらずのNetflixタイランド。あまりにも刺さり過ぎて震えている。
バンコク市内、環状交差点にて。
娼婦、ヒモ、強盗、貧困、不和、嘘、格差。偶然同じ物を視界に入れている人達の僅かに重なる群像劇。
これまでに見てきた色んな救われない映画の中でもガッツリ上位に躍り出るくらい救いがなかったかもしれない。若さ故の衝動、だけでは説明がつかない圧倒的な"足りなさ"、焦燥感、確かに見えた気がするのに手を伸ばしても指の届かない希望。
一つ手に入れて沢山失う、沢山手に入れてもっと沢山失う。どこまで行ってもプラスにならない。みんな小さな望みがあっただけなのに、「真っ当に」すら叶わない環境と人生。
映画を見ていて裏切りがあると「まあでも人生それだけじゃないんだからさ…」みたいな気持ちになることがあるが、こう、誰にとかじゃなくて何度も何度も救われずに裏切られ続けるのを見せられるともう、「人生って………」となってしまうわ。
何度も、ああ………!!!!と呻き声に近いため息をつきながら見ていた。タイ行の飛行機の中で。
憧れのタイ・バンコクへの旅行の道中でこんなもんを見てしまった。もしこの後、飛行機を降りてつい先ほど見たような土地を見てしまったら泣いてしまうだろう。噴水を見て膝から崩れ落ちてしまうだろう。
そして『環状交差点のこの角度から見ると美しい』と思うんだと思う。