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さざなみのmanamiのネタバレレビュー・内容・結末

さざなみ(2015年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

あーだめだ私にはまだ難しい。
どちらも憎めないからこそ辛くて苦しい。
まあ旦那さんは苦しさ抱えてないんだけど。
苦しいのは奥さんだけなんだけど。

もちろん旦那さんのあからさまな心の若返り様が良いとは言わない。でも結局、責めたところで何が悪いのか理解してもらえずきっと更に酷いシコリが残る。

年の功というか、時の功というか、45年連れ添ってきたからこそ「さざなみ」だった。
これが若かったら、時間が短かったら、きっと奥さんの怒りは早い段階で爆発してた。やり直そう、とはならなかったと思う。

結婚してから45年間上手く行っていたにもかかわらず、旦那さんの過去が露見してすれ違い始める。旦那さんは過去の思い出が蘇ってきて活力が戻り、相対的に奥さんの不安は大きくなっていく。

どんなに歳を取っても所詮人間、感情は抑えられないし、墓穴も掘る。

一度入ったヒビは元のようには戻らない。

時間が選択の幅を狭めるのはきっと事実。
過ごした時間が長ければ長いほど、捨てるのが惜しくなる。壊すのが怖くなる。結局壊さずヒビの入ったまま過ごすことにした奥さん。これに気づいてない旦那さんが怖い。

他のレビューでも書かれてるように、日常に潜むホラーである。

他にも何か書こうとしたのに忘れてしまった。
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