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シティ・オブ・ゴッドのおてつのネタバレレビュー・内容・結末

シティ・オブ・ゴッド(2002年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

【あらすじ】1960年代のブラジル・リオデジャネイロ。麻薬、強盗、暴力、殺人などの犯罪がはびこるスラム街、通称「神の街」。若者たちは貧困から抜け出すために犯罪に手を染めていました。そんな中、頭角を現してきたのが生まれつき残忍な性格の少年リトル・ダイス(ドゥグラス・シゥヴァ)でした。リトル・ダイスは、カベレイラ(ジョナタン・アージンセン)率いる三人組のチンピラ集団と手を組んでモーテルを襲撃、笑いながら大人を射殺した後行方をくらまします。カベレイラは後に警官に見つかり射殺されます。一方、暴力やギャングが苦手な優しい少年ブスカ・ペは、犯行現場で取材する記者を目にして以来、いつかカメラマンになりたいという夢を抱くようになります。


1970年代、17歳になったブスカ・ペ(アレシャンドレ・ホドリゲス)はアンジェリカ(アリシー・ブラガ)という女性に恋をし、彼女のために元同級生の売人ネギーニュからマリファナを買います。ネギーニュにマリファナを提供しているのはセヌーラ(マテウス・ナッチェルガエリ)というギャングでした。その頃、リオに舞い戻ったリトル・ダイスはリトル・ゼ(レアンドロ・フィルミノ・ダ・オーラ)と名前を改め、親友のベネ(フェリピ・アージンセン)と共に麻薬ビジネスを開始、敵対する勢力を次々と抹殺して勢力を拡大、街を麻薬中毒者で溢れ返させていました。やがて神の街を牛耳るボスに上り詰めたリトル・ゼは、麻薬を安全に売買するために街での強盗や殺人を禁じ、掟を破った者はたとえ子供でも容赦なく抹殺、さらには警察をも支配下に置いていました。リトル・ゼは目障りなネギーニュとセヌーラの排除を考えていましたが、優しい性格のベネが仲裁に入ることで見逃されていました。


アンジェリカと恋に落ちたベネは、彼女の希望で犯罪から足を洗い駆け落ちしようと決意します。ベネの送別会は街を挙げた大規模なものになりましたが、会場で密かにリトル・ゼの命を狙っていたネギーニュが間違えてベネを撃ち殺してしまいます。怒りが爆発したリトル・ゼはネギーニュとセヌーラを殺しに向かいます。その途中で、リトル・ゼはかつて自分を振った女を強姦、女の交際相手である元軍人のマネ(セウ・ジョルジ)の家を襲撃、マネの家族が殺害されます。セヌーラはリトル・ゼ暗殺に失敗したネギーニュを殺し、リトル・ゼに復讐心を持つマネを仲間にします。射撃のエキスパートであるマネはリトル・ゼの部下を射殺、遂に神の街でリトル・ゼ一派とセヌーラ一派との抗争が始まり、やがて激しさを増し一般市民をも巻き添えにするなど地獄絵図と化していきます。


新聞社でカメラマンの見習いを始めていたブスカ・ペは、ある日リトル・ゼに呼び出され、彼らの写真を撮ることになります。マネの記事が新聞で大々的に報じられたのを快く思わないリトル・ゼが仕組んだものでした。新聞社はブスカ・ペが撮影したスクープ写真を喜び、もっとギャングの写真を撮るよう依頼します。ブスカ・ペは決死の覚悟で両陣営の大規模な銃撃戦を取材します。この抗争でマネをはじめ数多くの者が命を落とし、リトル・ゼとセヌーラは逮捕されます。セヌーラはマスコミの恰好の餌食となりますが、リトル・ゼは警察に巨額の賄賂をつかませて釈放されます。その直後、リトル・ゼは仲間の復讐を狙う子供のギャングたちに射殺されます。ブスカ・ペは物陰から一部始終を撮影しており、リトル・ゼの死は新聞の一面を飾ることになります。両陣営の退場した神の街では、若いギャングたちの抗争が引き続き続くこととなります。(引用https://eiga-watch.com/city-of-god/amp/)


【感想】無法地帯のシティオブゴッドでちんけなギャング気取りの3人組に付き纏う”リトルダイス”という幼い少年。モーテル襲撃をきっかけに少年は自身のあらゆる感情を全て解放し、気づいた時には神の街を牛耳る王“リトル・ゼ”となっていた。


子供の感情って無邪気も邪気も紙一重なんだなあと、その育つ環境で全てが変わるのだと実感した。リトル・ゼの盛者必衰をあらゆる感情が交錯し、余りにも生々しく描かれていて、彼の人生の幕引きもとんでもない邪気を纏った少年達によって惨殺される点に於いてシティオブゴッド、神の街の一興なのだなあと痛感しました。
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