七沖

パディントン 2の七沖のレビュー・感想・評価

パディントン 2(2017年製作の映画)
4.3
〝その約束が世界で一番のたからもの〟
悪役はいても、悪人はいない!
心が洗われ、かつ映画的な伏線回収のカタルシスもしっかり味わえる作品だった。

パディントンは大好きな叔母の誕生日に飛び出す絵本をプレゼントしようと思い、本を買うためにバイトを始める。だが、もう少しでお金が貯まるという時に、絵本が店から盗難に遭ってしまう…というストーリー。

ロンドンでの暮らしに慣れてきたパディントンは、相変わらず悪意なく騒動を巻き起こす!ああ、前作の続きが始まったんだという感じに安心感を覚える。
パディントンがブラウン一家の一員になるまでは前作ですでに描かれているので、今作はブラウン一家やご近所さんとの掛け合いが序盤から存分に楽しめた。

ブラウン夫妻がブキャナン宅に忍び込んでアタフタしているのが本当に可愛いくて…なんかもう、この夫妻大好きだ。

「あんたは最初からそうだ。クマだというだけで偏見を持つ。だがパディントンは誰にでもいい部分を見つける。だから誰とでも友達になれる。彼が来てからみんなハッピーになった。彼は親切を惜しまない」
偏見を持たず、フラットな心で相手と向き合うことの大切さをしみじみ感じた。
パディントンがいれば、悪人もみんな仲良くなれる。いや、そもそも根っからの悪人なんていなくて、みんな強がったり後に引けなくなっているだけで、パディントンはそんな彼らの頑なな心をほぐしてくれる。
刑務所での料理シーンや、ラストのダンスなど、とにかくニコニコできて心のデトックスになった。
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