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In the Year of the Pig
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『In the Year of the Pig』に投稿された感想・評価

「In the Year of the Pig」

ベトナム戦争真っ最中に製作されたドキュメンタリー。ベトナム戦争に至るまでの経緯とその後を有識者の言葉で1時間45分かけて説明する授業タイプの作品。物凄いスピードで情報がやってくるので、かなりきつい。AI字幕翻訳を使って観たが、情報量の多さに圧倒されてしまい、置いてきぼりに。ある程度、ベトナム戦争とその頃の政治事情について調べておく必要あり。映画でよく観るヘリコプターについてる銃を乱射する光景を初めて観た。
ベトナム戦争に関するドキュメンタリーだが、おそらく殆どがどこかから借用した映像で、映画の為でない映像を編集して作品にしているという意味ではアラン・レネの夜と霧に似ている。

それ故に夜と霧同様評価の難しいものとなっているけど、編集によって既存の映像を一つの作品として纏め上げた点は評価に値すると思う。

でも政府高官のインタビュー的な映像が多めで眠気を覚えてしまったから、そこの配分はどうにかしてほしかった。

あと焼死の映像は本当に死んでることがよくわかるから精神的に結構きつかった。
No.515[常時戦勝国アメリカの傲慢と呪い、単調な歴史の授業]  50点

記念すべきレビュー100本目に本作品を選んで見てしまった私の精神状態のほうが心配だが、気にせず書いてみることにする。私は現実逃避の一環として映画を見るので、現実世界を痛烈に見せつけられる映画=ドキュメンタリーは見る気が起きない。ただ、ドキュメンタリーには大きく分けて、淡々と事実を並べることで真実のモンタージュを作り上げるタイプと観客をセンチに流すことで感情を揺さぶるタイプの二種類があるせいで、特に後者のタイプに感情が乗ってしまえば気に入ることもある。
残念ながら本作品は明らかに前者であり、その弱点である”単調さ”にやられてしまった。

本作品が製作されたのはニクソンが大統領になる以前であり、ベトナムを扱った最初のドキュメンタリーと呼ばれている。前半は意外にもベトナム戦争に至るまでの経緯が詳しく述べられている。日本軍が撤退した後ホー・チ・ミンは王宮を奪取するが、すぐに自由フランス軍や中華民国軍が駐留を始める。中華民国で逮捕された経験を持つホー・チ・ミンは中華民国に支配されるくらいならと一度は旧宗主国である自由フランス軍を招き入れるが、フランスも結局はベトナムを仏領インドシナに戻したかっただけだった。フランスは南部に勝手に政権を樹立するなど傍若無人な態度に出たため、怒った北部ベトナム人は蜂起し、1954年に有名なディエンビエンフーの戦いでフランスの敗走が決定するまでゲリラ戦で徹底抗戦する。ジュネーブ協定で終結したと思ったのも束の間、南部ではゴ・ディン・ジエムの親米政権が誕生し、北部では大胆な土地政策が農民の反感を買う。ジエムは弟と共に要職を掌握し仏教徒や反政府勢力を大虐殺、アメリカからの信頼を失い、軍事クーデターによって射殺される。しかし、ジエム以降の南部ベトナムは権力闘争と腐敗の嵐で、これがサイゴン陥落(つまり終戦)まで続いたらしいから笑えない。

という歴史の授業に丸一時間使ってしまうのだから参ってしまう。世界史は好きだが、知らないおっさんが喋り続けているのを聴くのはかなり疲れる作業だ。後半はようやくトンキン湾事件以降のベトナム戦争に入るのだが、まぁ言ってることをまとめてしまえば戦争反対ってことだけだし、印象的なショットや言葉があるわけでもないし、当時の人間から見れば知らないことでも現代の我々から見ればWikipediaに書いてあるようなことも多いから丸々カットして、植民地主義の崩壊を描いた前半にもっと心血を注いだ方が良かったのではないかとすら思える。

アントニオは数年後にアメリカが屈辱的な負け方をして淡い夢が東南アジアの小国に無残にも打ち砕かれた先に、長い長い悪夢が待っていることを理解していたのだろうか。退屈ではあったが、そんな思いが頭をかすめた。

追記
コッポラがワーグナーの”ワルキューレの騎行”をヘリが飛ぶシーンで流したのは本作品からの引用っぽい。