実話続きのこの1作。
時は2009年
場所はニューヨークのど真ん中
とても緊迫したコックピット内の音声から入る冒頭。
吸い込まれるようにして観いった。
42年のベテランパイロットが、バードストライクによって両エンジンの機能を失う。
そこからの咄嗟の判断で、不時着水に望む。
その判断力や状況把握能力、人的要因及び環境・機械的要因
様々な要因を前にしてのコミュニケーションと判断力。
なんとも凄まじい映画だった。
その事故の事後を描くという今作は、
155名の無事という事実を前に、ミスを暴こうとする捜査局。
結果、最高の判断だったということで収まるが、少し距離を話して考えるとこの映画はなんだったのだろう。
事故を伝えるドキュメンタリーとしては後世に残すべきことだと思うが、
この映画の捜査局がしていることはあの手この手でもっといい手はあったのでは無いかということを調べ尽くし、
結局は公聴会で大恥をかくというものとなっている。
もちろん、捜査局の仕事はそれだし次このような事故が起きた時の反省として記録されていることは有意義なのだろうが
この事実をわざわざトム・ハンクス主演で描き出すというのはどうも腑に落ちないというか理解しきることは出来なかった。
この映画が面白くないと言っている訳では無いし、むしろみられてよかったのだが何か疑問というか意図というかそれが汲み取れなかった自分が悔しい。
シーン割り、演出、演技などなどは1級品だった。リアルさながらのこの映画は深く心に残るものだろう。
まぁしかし、パイロットとはすごい職業だなと。
本当に英雄と呼ばれるべき名パイロットであったと思う。
最後に、この映画のいいセリフは
「“155”は数字です。でもそれぞれに顔があります。155人の顔だけでなく、その後ろにある顔。妻や娘や息子、父や母や兄弟。とても大きな“数字”です」