安堵霊タラコフスキー

シャーマンズ・マーチの安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

シャーマンズ・マーチ(1985年製作の映画)
3.0
マルセル・オフュルスの作品やテリー・ツワイゴフのクラム等、死ぬまでに見るべき映画1001本の中には撮り方とかの点で自分の好みと言い難い作品が結構含まれている印象があったけど、残念ながらこの映画の個人的にそういうものの一つとなってしまった。

冒頭のフィックスでのロングショットは良かったのだけれど、それだけに以降の他の場面は私的でホームビデオっぽい撮り方ばかりとなっていたので、映像として惹かれるものが殆ど無くて哀しい気持ちにすらなった。

内容に関しても、元々撮ろうと思っていた歴史的主題からプライベートで関係のある女性についてのものに移り変わっていくっていうのは面白かったけど、ナレーションや人物の語りが多くてフレデリック・ワイズマン作品程の画面の引き締まりも無かったこともあってか興味が途中で薄れることも屡々だった。

風変わりと言えば風変わりな記録映画ではあったとはいえ、記録映画の市民ケーンと形容されるのはちょっと理解に苦しむ。(その形容が似合う作品はプライマリーとかチチカットフォーリーズとかリトアニアの旅への追憶とか他にもっとあると思う)