このレビューはネタバレを含みます
「イルマ・ヴェップ」
「レ・ヴァンピール 吸血ギャング団」のリメイクを撮るためにフランスに呼ばれたマギー・チャン。映画を撮る映画で、監督の我儘に振り回されたり、フランスの映画人がハリウッド映画に対して抱いている不満だったりと映画撮影の現実を追求したリアルな面白さもあるのだが、イルマ・ヴェップの衣装を着て盗みを働いたり、ラストの試写のシーンがホラー演出かと思うほどの加工が加えられていたりと、肩にハマらないフランス映画っぽさも感じる。フランス映画なのに、香港映画っぽいノスタルジーに浸らせる感じがプンプンするところも異質。LGBTQ要素もあって、なんとなくだけどウォン・カーウァイを意識してそう。
本作に登場するイルマ・ヴェップの衣装のイメージが「バットマン リターンズ」のミシェル・ファイファー演じるキャットウーマンだったのはなかなか面白かった。俺は「バットマン リターンズ」において「キャットウーマンはよかった」なんて感想を抱くことはなかったけど。
