MayuShimada

火の山のマリアのMayuShimadaのレビュー・感想・評価

火の山のマリア(2015年製作の映画)
3.8
だんだん味が染みだしてくるけれど後味はすっきりしている和食のような映画。

グアテマラか、火山にコーヒー農園か、いいロケーションですよねぇ。風呂が、あれは地中にあるのかな、火山の熱を利用した風呂のシーン。薄暗くて女性2人の身体の輪郭すらよく見えないんですが、なんかその薄暗らさが神秘的で良い。洞窟みたいな岩肌が2人の後ろに見えてて、若い1人はお腹が大きくて、なーんか神秘的なんですよねぇ。

現代の話じゃないのかな?って思うくらい文化が違う。
自由恋愛じゃないっていうのも一つの理由だと思うが、さすがに最初の方は軽薄過ぎてマリアに同情できなかった。
が、後からだんだんマリアが美しく見えてくる。やっぱり生命を宿せるってすごいことなんだなぁと。妊娠してる人って、そんなにお腹が目立ってなくても何となくわかりますよね。そういう感じの不思議な存在感がありました。

最後はマリア的には不本意な展開で、決してハッピーエンドではない。でも後味が悪いかと聞かれるとそういう訳でもない。世の中の不条理をマリアの身に起こった出来事で表現しているようなラスト。ある程度生きた大人ならまぁそうなっちゃうよねって溜め息まじりに認めてしまう感じ。
けっこう好きですこれ。
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