Nちゃん

リップヴァンウィンクルの花嫁のNちゃんのレビュー・感想・評価

4.0
東京。派遣教員の七海はSNSで知り合った鉄也と結婚するが、七海は親族が少ないため「なんでも屋」の安室に結婚披露宴の代理出席を依頼して式を挙げる。しかし、新婚早々に鉄也が浮気し、義母から逆に浮気の罪をかぶせられた七海は離婚に追い込まれる。
路頭に迷う七海は、安室の紹介で結婚披露宴の代理出席のバイト引き受ける。そこで出会った真白と親しくなる。
ホテル暮らしをしていた七海に安室が月給100万円の住み込みのメイドの仕事を紹介する。そこには破天荒な真白もメイドの仕事をしており、一緒に生活することに。
女優の仕事をもしていた真白は体調が優れず、日に日に痩せていく。
ある日、真白はウエディングドレスを買いたいと言い出す。


見終わったあとの余韻が抜けない。
「なんか、、なんか、、」

前半と後半に分かれていて、後半の内容が主題なんだけど、そこに持っていくために前半の話が必要になってくるてきな。
真白が七海にレズなのか!?という疑いもあったが、まさか「一緒に死んでほしい」だったとはね。
七海の世間知らずな性格に安室が漬け込み、利用するところがはがゆい。
七海のおどおどしているところもうざったい。

真白が実家を出て、AV女優になったという事実を知った母親が、死んだ真白と過去と向き合い涙を流し、真白の職業柄、人前で裸を見せる体験を自ら行い、恥ずかしさを思い知った母親のせめてもの娘への理解がこの映画のラストにふわわしいと思った。

真白の死をきっかけに、なんでも屋に別れを告げ、新しく家を借り(昔真白と家を見に来た家)、新しい人生をやり直す七海にがんばれと言ってやりたい。

話の途中に度々、ネット教育を受ける生徒とのやり取りがあるが、かけ離れたバイト生活と唯一のリアルな生活感というか、その対比がおもしろい。ネット越しに話す七海の態度がそのときそのときの心情がよく出ている。


今年一番の邦画かもしれない。
Nちゃん

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