KH

リップヴァンウィンクルの花嫁のKHのネタバレレビュー・内容・結末

2.8

このレビューはネタバレを含みます

真白よりも素のCoccoのほうが怖かった。。

自分をあまり出さず周りに流されまくる黒木華演じる七海はSNSで知り合った男性と結婚するが、知り合いが少なくSNSで相談したところ代理出席なる存在を知り、安室なる人物を紹介される。
岩井俊二監督の長編映画としては花とアリス以来12年ぶりと、個人的に否が応でも期待がかかった作品でしたがいつもの岩井監督の作風で精神的に安定している時にしか見れないなぁという思いと3時間という長尺に見送りに見送ってきた今作ですが、勝手に始めたFilmarksでのx99本目は見ようと思ってたけどなかなか手が出せなかった1本を見ようと決めたので漸く見ました。
(因みに
99本目:デビルマン
199本目:ハッピーアワー)

この作品はこの映画と別にserial editionという全6話からなるドラマ版が存在する。このドラマ版は基本的に映画版と流れは同じですが未公開シーンや未公開カットなどが追加されており、1話40分本編の後に10分出演者のインタビューが入り、より深くこの作品について理解することができるようになっている。
自分はドラマ版と映画は全く違う物だろうと思ってドラマを見た後に映画を見たのだが、映画はただのドラマを1時間短く編集しただけのものだったので映画を見た時は流れは知っているので本筋より別のところばかり注目してました。(最初の七海の結婚式のシーンで新郎の脇汗がハンパないなとか)
でも映画にしかないシーンもあります。それは真白が死ぬ前の安室と葬儀屋の会話と、真白の遺骨を親に渡しに行くシーンと最後の引っ越した後安室を見送りベランダでくつろぐシーン(細かいシーンを上げればきりがないのでこのくらいに)。なのでドラマだけを見ても安室がこれで1000万儲けたとか、綾野剛の裸は結構年相応なだらしなさがあるとかはわからないままなんで結局どっちも見なければいけない作りになっています。でもドラマ版40分(インタビューも入れると50分)×6+映画180分で合計7(8)時間もあるのでかなり思い入れがあるか岩井俊二教に入ってないとみるのは難しいかと思いますので、個人的に見るのならドラマ版をお勧めしたいところです。正直映画☆2.3のドラマ版☆3.3の間を取って☆2.8にしています。

それはドラマ版にしかない真白の葬式での代理家族の挨拶のシーンが個人的に好きだったのとやはり映画よりも1時間長いので映画ではぶつ切りにされているシーンも長回しで見れるのでより物語に没入しやすいと思ったからですかね。あと、毎回EDで流れるCoccoの歌がいい喪失感を与えてくれるんですよね、映画だとクラシックでオシャレに決めててただ鼻につくだけだったけど。

この映画を見た後、真白の壊れ具合やら安室の世渡り上手の社会の闇よりも現実の真白役のCoccoのインタビューが一番怖いと思った。なんだか岩井俊二と会う運命だったみたいな話を延々とするんだけど、これはぜひ実際に見てほしいですね。最近のSPEEDの上原みたいに人が作った物語より現実のほうが怖い(奇なり)みたいな気分を味わえます。

ドラマ版見た後ランバラルって結局誰だったのかわからなかったんだけど映画見たら結局安室だったんですね。別れさせ屋が安室にランバラルって言ってましたね。ただドラマ版で見落としてただけでした。
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