とまぴゅー

リップヴァンウィンクルの花嫁のとまぴゅーのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

この映画で黒木華演じる七海は、主体性が無く、流され流され生きてきた弱い女。
もうあまりの警戒心のなさにムカムカ。自分の現在地がわからず、オロオロ安室に助けを求めるシーンがイライラのピーク。
でも、イラつきと同時に黒木華の凄さも感じた。この人、本当に演技が上手いんだな。

昔見たドラマの中の黒木華の役がどうにも苦手で、それ以来、黒木華に対してちょっと苦手意識があった。
それも今思うと、黒木華の演技力の高さに感情移入してしまったからなのかも。


Coccoを見るのはあのMステぶり。相変わらず不健康そうだけど変わりなくてちょっと安心した。
真白はCoccoにしか出来ないだろうというぐらいのハマり役だった。七海が本心から一緒に死んでもいいと言ってくれたから、安心して一人で死ねたんだろうか。


そして安室。
結納で相手方の母親に不快感を覚えた義母、別れさせ屋として安室(ランバラル)に依頼
→部屋に落ちていた女物のアクセサリーや偽造卒業アルバムは、安室が言っていた通り義母が用意
→七海からも夫の浮気調査で二重に依頼金をせしめつつ、流されやすい七海を真白の依頼の対象者に選び世話を焼いた~
という流れかな。

七海が働いていたホテルでのあの演技を見るに、真白母の前で涙したのも恐らく演技だろう。
常に嘘っぽい安室だけれど、浮気調査で会った時に七海に忠告したのだけは本気だったと思う。その忠告が活かされず、簡単に術中にはまって落ちていったから真白さんの相手にすることにしたんだろうね。
怖い人だとは思うが、そんなに嫌いなキャラじゃないな。


最初は冴えない印象だった七海が、物語終盤には表情が明るくなって綺麗に見えるようになってきた。
あんな巻き込まれたような形だったけれど、大げさに言ってしまえば、七海は死んでいるような状態から生き返ることができたのかな。
岩井監督の女性の描き方は何だか良いね。花とアリスを見た時も思った。