ヤマダタケシ

凱里ブルースのヤマダタケシのネタバレレビュー・内容・結末

凱里ブルース(2015年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

2020年7月22日 イメージフォーラムで

・最初は画面に映る誰の、どんなドラマなのかが分からなかった。
・現実と夢、自分の物語と他人の物語が混じるような話だった。
・見て行くうちに町医者をやって行く男の話だという事が分かって行く。彼が売られた甥っ子を取り返すために旅に出てからは何となく彼の内面に潜って行くことが中心に描かれていた。
・何度も登場する船、バイク、車、電車による移動。この映画では移動し続けるシーンを撮り続けることによって、何かしらの深層へ潜って行く感じがある。途中から始まる長回しのシーンの中でも人物は絶えず移動し続ける。
・長回しのシーンであると言う事はそれが一続きの同じ時間であるという事である。しかし、この映画ではその長回しの中でもいつの間にかさっきまでいた人が居なくなっている、人物同士の新密度が一気に変わる、などによってその時間の流れ方が途中で物凄く早送りされたような感覚がする。
・移動に加えて、何度も登場する時計のモチーフからこれがあいまいでありながら物凄い速さで流れている時間そのものについての映画だったようにも思った。
・仕立て屋の女の子が可愛かった。