ゴーラン映画祭にて。
イスラエル製フィルムノワール。足を洗おうとする主人公、彼の弁護士の娘、悪の道に引っ張ろうとする旧友、彼を付け狙う警察などなどさまざまな思惑が複雑に絡み合っていて面白い。
大都会テル・アヴィヴと郊外の港街を行き交う舞台転換も良い。
ただ主人公があまりに男らしく、清廉潔白のヒーローなのでフィルムノワールにはちと向いていない。
『カザブラン』の主人公像にタイプが似ており、ちょいワル+完全無欠がゴーランのヒーロー像なのだろーか。
美女の前で滅茶苦茶男らしい⇒口説く⇒いい感じの答えが帰ってくる⇒一人になった時に喜びが仕草に出る(路上の缶を蹴り飛ばす)っていうのも『カザブラン』の主人公と全く同じ。
この一連の動きで主人公がどこか憎めなくなってしまう。
あと主演の女優(弁護士の娘)が今受けするタイプのとんでもない美人と思う。
正直ナタリー・ポートマン以上よ? ユダヤ人恐ろしいわ。
一番好きなシーンは、テル・アヴィヴのナイトクラブではしゃぐエリートたちとの対照的なカットバックで、郊外の港町でくすぶるクソガキたちが何もやることがなく屋上で星を見ながらタバコを吸うってシーン。