梅雨

ジュラシック・ワールド 炎の王国の梅雨のネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

この作品で特筆すべきは
ラストに繋がる、キャストの選択と
結末です。

正直驚きました! 人間であるクレアが説得され
外に恐竜達を逃すことを断念した後
恐竜達と同じ立場であるクローンの少女が
逃す。

人生に起き得る交通事故などの
アクシデントと同じように
恐竜によるアクシデントも起こり得るという
扱いに捉えたマルコム博士の弁も印象的でした。

クローン技術が身近になり、その進歩や普及により対する倫理観が変わりつつある現代、隔離して終えた一作目以降のシリーズ作品とはあきらかに一線を越えた結末でした。



エンターテイメント性は
シリーズ前作より落ちます。

冒頭の噴火する島舞台は
迫力がありとても良かったです。

逃げ遅れた首長竜の最後は
CGと分かっていながらも
どうしようもなさに涙が出ました。

が、しかしその後のアメリカの屋敷内での展開は
人間比では巨大な屋敷ではありながら、
恐竜比ではスケールが小さく感じられ
また殆どの映画時間の間
巨体の恐竜達が檻に窮屈に身動き出来ず
閉じ込められたままで
ダイナミックな動きが堪能できずガッカリでした。

また、悪役が救いようなく私利私欲を
追う奴らで魅力に欠けました。

ロストワールドの、ローランドポジションの
ハンターのトップは、ローランドのような
矜持も美学も何も無く、恐竜に対する敬意無く
無慈悲に乱獲し、歯を抜こうとする。

ミルズは、小さい子供に対する愛情はなく、
さらに金に目が眩んで、ロックウッドを
手にかけてしまうという一線を越える人でなし。

オークショ二ストも異形でしたたかな表面的な描写があるのみ。この姿の役者さんを起用する必要はあったのか疑問です。

前回から続投の俳優二人は良かったですが、
助手の獣医とSEのふたりは漫画的なキャラクターで現実味に欠けました。

恐竜の乱獲と狭い檻に閉じ込めての無慈悲な扱いは、白人達がかつて
楽しみのハンティングにより絶滅させた動物や、もっと言うとかつて白人達が犯した有色人種への残虐な扱いと重なる部分があり、気分が悪くなります。

色々書きましたが、シリーズ作品がそうであるように映画館で観る価値ある作品であることは間違いないでしょう。

最後に一言、ブルーと、石頭の子がとても可愛らしかったです。
梅雨

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