まーしー

映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生のまーしーのレビュー・感想・評価

3.5
映画シリーズ第36作。
家出をしたドラえもんたちが7万年前の日本を舞台に、原始人ククルとの出会いを通して、悪者たちに立ち向かう。

オリジナル版は未見。
ただ、日本人の祖先の成り立ちを綺麗にまとめた印象。鑑賞後にタイトルの意味が腑に落ちた。
地面が水のようになる「ドンブラ粉」やククルの犬笛なども伏線となって後に回収されている。
また、のび太たちの家出を題材に、ひとりで生きていくことの難しさ、人同士の繋がりの大切さも強調されている。

映画版らしく善(ドラえもん一行とヒカリ族)vs悪(ギガゾンビとクラヤミ族)の戦いも。
特にギガゾンビの強さはなかなか。その正体に目新しさは感じなかったが、ドラえもん一行のみならず、ククルの活躍には目を見張るものがあった。

最近の作品らしく、映像も美しい。太古の日本の原風景、ギガゾンビとの激戦シーンなどに、アニメーション技術の進歩を感じる。
また、3匹の空想動物と接するのび太の優しさも手厚く描かれている。
「冗長」「わざとらしい」という否定的な意見もあるかも知れない。しかし、個人的にはオリジナルの脚本の良さにリメイクの良さを加えた作品だと思う。