桔梗F

マザーハウス 恐怖の使者の桔梗Fのレビュー・感想・評価

マザーハウス 恐怖の使者(2013年製作の映画)
4.6
1981年のベネズエラ。
失業中の夫とふたりの息子と暮らしていたドゥルセ。
11月11日、深夜に夫が殺され、長男が忽然と姿を消してしまう…

これはかなりの名作(゜ロ゜;

ベネズエラ産オカルトホラーだが、監督さんは長編デビュー作で製作、脚本、編集も自ら行い、これだけの良作を(;゜∇゜)

あらすじ、展開、似た映画はいっさいネタバレできないので、出きればあらすじすら調べないで観た方がいい映画(ノ_<。)

まあ終盤の超展開は読めません(;o;)

基本展開は、ハウス系オカルトホラーなのだが、売りを…

・導入の見事さ
冒頭、割れた鏡、血を流し倒れてるおばちゃん描写。

観る側に、いったい何が起きたんだろう?誰が?家族は?
と一瞬で心をつかむ完璧な導入(゜ロ゜;
そして、この導入部分が終盤のオチへの最大の伏線となる。

カメラワークもすばらしく、特に母親投獄シーンでは、主人公の後ろ姿と体だけと顔をまったく撮さない撮り方は見事!

時系列は30年前A、B、現代と後にごちゃまぜになるので、終盤は特に集中して観る必要はある。

また、狂言まわし役に神父を投入し、神父にミステリー解明部分を任せるのも○

そして、その神父が、ただの狂言まわしではなく、本作を名作に昇華させる最大のオチへと繋がる( ;∀;)

中身言いたくてたまらないんですが(笑)、観るべきポイントだけ。

「魔法の石は誰から誰に?最後の持ち主はだれ?」

「主人公が触ってもないはずのナイフになんで指紋が?」

「兄弟の淡い恋の三角関係(ノд<)」

「手紙は二度出る」※序盤見逃すな!

解明されない謎はいくつかあるけど、ラストの感動ですべてぶっ飛びます(´;ω;`)

ある人目線では、かなりつらい映画ですが、出つくされた感があるハウス系ホラーで、これだけの感動締めとシナリオ、構成できる監督さんは滅多にいない(;゜∇゜)

終盤の神がかり的な「時系列3つどもえクライマックス」を無理なく撮れる監督が日本に何人いるだろうか?

普通、新人監督さんに撮れるシロモノではない(;゜゜)

観終わったときは、邦画ホラーが一瞬にしてベネズエラ映画に大差で置いていかれたと気づいた瞬間でもあった…

ストーリーをただ追うだけでなく、カメラワーク、構図、構成、シナリオ、演出、演技、音楽にも目を向ければ、かなりハイレベルな映画(ノ_<。)
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