前2作に比べ、妻や息子との関係性や他の武道家との争いなどの人間ドラマに比重が置かれている。それはそれで悪くはないのだが、どうしても倒すべき明確な相手がいた前作に比べて勢いは弱いと感じざるを得ない。
この一作を見るのではなく、全4作品のシリーズの3本目という見方をするべきだろう。
物語前半は西洋人の地上げ屋との争いを描いている。最終的にマイク・タイソン演じるボクサーとの闘いになるが、マイク・タイソンに気を使ったのだろうか、完全に倒すわけではなく引き分けのような形で決着。なんだかモヤっとする。このくだりは必要だったのだろうか?
西洋人ボクサーとの戦いという構図も前作と被る。
後半の詠春拳対詠春拳は見どころもあるがこちらもなんとなく決着が地味。こちらに話を絞れば良かったのに、シナリオが散らかった印象を受ける。
妻との話にはダンスの場面や木人椿など良いシーンも多かった。これがどのように響いてくるのか、4作目に期待したい。