けーはち

マックスとヘラジカの大冒険 クリスマスを救えのけーはちのレビュー・感想・評価

3.5
サンタのそりの試運転をするムース(ヘラジカ)が納屋に落下。少年マックスに匿われる──『ヘラジカがふってきた!』というドイツのユーモラスなクリスマス・ファンタジー文学の映画化。ムースがテストドライバーという発想はユニークだし、児童書とはいえ、主人公のマックス君は両親が離婚していたり、落っこちたサンタさんが精神病院にブチこまれたりする味付けは現代的。また正運転手のトナカイに劣等感を覚え、仕事のぐちをこぼしまくるムースなんて駄目人間には大いに共感できるところ。そんなムースと父親のないマックスは共依存的な関係に。ところが、サンタがムースの大失敗によって仕事を継続できず世界がクリスマス存亡の危機に陥った時、マックスはムースとの安易な共存を諦め彼の仕事復帰を手伝い、その後自分を捨てた父親と向き合うことができるようになるのだった。いい話だし、おしゃべりするムースというキャラクターだけで十分楽しい小品。