まーしー

背徳の王宮のまーしーのレビュー・感想・評価

背徳の王宮(2015年製作の映画)
3.0
朝鮮王朝の暴君・燕山君(ヨンサングン)の実話をモチーフとした宮廷ドラマ。自分の情欲を満たすため、全国から1万人もの美女たちが集められる――。

官能シーンが話題となった本作。確かに、官能的な秘技の訓練や決勝戦と称した女性同士の交わりはインパクト大。
そして、女性の体をなめるように映すカメラアングル。色々と見えそうで見えない映し方はもはや匠の技。

しかし、舞台となった宮廷や衣装の華やかさ、そして俯瞰的なカメラワークも見どころの1つ。お金をかけて制作されたことが伺える。

また、国王に取り入ろうとする家臣や女性たちの権力争い、駆け引きも忘れてはならない。本作で描かれていたのは、使えるものは何でも使う、蹴落とし蹴落とされの政治の世界。そのような弱肉強食の世界に感情を持ち込めば災いとなる。
にもかかわらず、チェ・ジフン演じる家臣スンジェは王へ差し出す女性に恋心を抱いた故、本作は悲恋ドラマとしても映った。

以上のように、本作は決して手が抜かれた作品ではない。観るべきポイントは多いため、単なる官能作品として片づけるには惜しいと思う。