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ミッション:インポッシブル/フォールアウトのtofuのレビュー・感想・評価

4.0
シリーズ最高傑作だったと思う。

まず目玉のアクション。
リアリティのある動きとカメラワークが素晴らしい。生々しい格闘、観客に伝わるかの様な衝撃が非常に迫力があった。
またそれぞれのシーンで敢えて、BGMを消すことで打撃音やエンジン音、息遣いが伝わり、よりリアリティズムを生み出していた。もはや芸術的である。

バイクチェイスのシーンも素晴らしい。普段、運転をする(車も)身分としてハッとなるヒヤッとする対向車や歩行者の
動きが見事に再現されており、イーサンと共に街中を駆け巡る疑似体験が出来たと言えようか。

お約束のイーサンハント全力疾走も健在でシリーズのファンを楽しませてくれるあたり制作陣はファンが何を求めているか熟知しているのだと改めて感心した。

全体的にアクションは『縦』『横』『奥行き』を意識した構成が目立った。これは昨年の「シビルウォー:キャプテンアメリカ」にも通ずると言える。しかもこの構図がパリの街並みと会い重なり非常に美しい。

これもお約束だが、冒頭の一芝居からのメインタイトル&テーマ曲の流れは、しっかりとストーリーにも沿っており申し分ない。

ここまで絶賛だが、残念な点も2つほど。
1つは元妻は不要だった。ルーサーからのエピソードだけで十分。医療キャンプに偶然だなんて都合良すぎるし、特に役に立つ訳でもなく、物語がムダに間延びしただけと感じた。
2つ目は予告編であった「トラックへの激突」のカット。終盤、嫌な予感はしたがそのシーンが無いまま終わってしまった。個人的にはあのシーンに非常に期待していたので、レビューを減点とした。

「スパイダーマン:ホームカミング」でも心躍るワンカットをバッサリと無くしたりと、このところ期待を裏切られることが目に付く。予告編にあるシーンを劇中からカットは本当に止めて欲しい。
30秒.60秒で、この映画を観たいと思わせる、映画館に足を運ばせるアピールポイントなのに、それをカットとは大げさだがプロモーション詐欺である…と強く抗議したい。

ともあれ超一流のエンターテイメント作品であると同時に『M:I』シリーズの最高峰であると、私は太鼓判を押そうと思う。
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