一人旅

スティーヴン・キング/地下室の悪夢の一人旅のレビュー・感想・評価

3.0
ラルフ・S・シングルトン監督作。

モダンホラーの大家スティーヴン・キングによる1970年発表の短編小説「Graveyard Shift(深夜勤務)」の映画化で、田舎町の紡績工場で巻き起こる恐怖を描いたホラームービーです。

勤務先の紡績工場の地下室に繁殖したネズミの駆除を命じられた主人公の男とその同僚たちが、地下室の奥に潜む巨大な怪物に襲撃されていく様子を描いた“モンスターパニックホラー”で、大量のネズミとの対峙は『ウイラード』(1971)やその続編『ベン』(1972)を彷彿させますが、本作の真の主役はネズミではなく一匹の巨大クリーチャーです。蝙蝠のような姿形をした粘液まみれの獰猛生物の出現によって、主人公ら工場従業員が恐怖のどん底に突き落とされていく様子を薄暗く高湿度な陰鬱映像の中に描いた作品となっています。

スティーヴン・キング原作を売り文句にしたオーソドックスなB級モンスターパニックですが、主人公とヒロイン以外の人間が揃いも揃ってクズ野郎という“嫌な”人間模様も見ることになります。
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