いしはらしんすけ

名探偵コナン 純黒の悪夢のいしはらしんすけのレビュー・感想・評価

名探偵コナン 純黒の悪夢(2016年製作の映画)
3.8
劇場版第20作。

いつの間にか随分いろいろ進行している「黒ずくめの組織」もので、そっち絡みで公安の潜入捜査官・安室透、同じく潜入してるCIAの水無怜奈が映画初登場。FBIの赤井秀一も映画ちゃんと出るのは初めてかな?

どうやら興収的に現在に続くメガヒットフランチャイズ化したのは本作かららしく、その要因としては赤井や安室のファーストガンダム声優コンビをはじめとするイケボキャラの女性人気が大きいのだろう。

櫻井武晴脚本にしてはおそらくわざとロジックを緩くしてる部分はありつつ、基本はその赤井と安室を中心とするスパイ潜入捜査ものの王道的な内容で、警察庁vs警視庁の対立がしれっと織り込まれてるあたりはらしさが漂う「相棒」風味。

黒ずくめの組織も「天国へのカウントダウン」の時、髪型似てるってだけでジンが灰原哀(シェリー)と鈴木園子を間違えて狙撃するなんて間抜けさはすっかり影を潜め、設定相応の怖さを発揮。

そことの兼ね合いもあってか、マスト案件であるラブコメ要素はお義理程度まで後退しているが、個人的にはベストバランスだと思います。

アバンからタイトルにかけての掴みに顕著な、ハリウッド超大作の最新成果を落とし込んだ画作りも巧妙な、名実ともにネクストレベルに入ったエポック作か、と。