松井の天井直撃ホームラン

トラック野郎 度胸一番星の松井の天井直撃ホームランのネタバレレビュー・内容・結末

トラック野郎 度胸一番星(1977年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

☆☆☆

“或る意味衝撃的”なあき竹城のヌードから始まる、シリーズ第5弾。
今回の舞台は、佐渡・新潟・金沢。

心霊スポットで立ち小便をする桃次郎。すると、片平なぎさ演じる美人の幽霊が出現。
「佐渡でお待ちしています」と言われ、たちまち桃次郎一目惚れ…って、相手は幽霊だぞ(笑)
一方ジョナサンは、ヒッチハイクの謎の女夏樹陽子に「一枚で…」と(苦笑)
桃次郎に諫められるが、「俺だって、かぼちゃよりメロンが食べたい!」宣言(笑)

場面は新潟のドライブ・イン。まぁ、どこのドライブ・インであろうと、殆ど中身の造りは同じだが(笑)
完全に佐渡へ行く気満々の桃次郎。佐渡に関するお勉強は、サド侯爵の本まで読んで準備万端(笑)
するとそこに、千葉真一演じるジョーズ軍団が殴り込み。チャラチャラしたトラック野郎達の仲間意識が大のお嫌い。
その仲裁に入るのは、新潟の弁天姉御こと八代亜紀。

佐渡への荷の仕事が見つかり、届ける桃次郎とジョナサン。そこで出会ったのが、あの時の幽霊と生き写しの小学校の先生。勿論演じるのは片平なぎさ。そして桃次郎の「先生として生きる」宣言(笑)
一方ジョナサンは、宮口精二演じる金の採掘をするお爺さんに弟子入り。実は片平なぎさのお爺さん。キンキンが金を採るってか(笑)

算数の問題に問題有りの桃次郎先生は、結局小学生からやり直し。この後、アイドル時代の片平なぎさの水着のサービスショットが満載(笑)
しかし、シリーズお馴染みの勘違いは、今回自分がする羽目に…。傷心する桃次郎。

さて千葉真一の方だが、夏樹陽子とは同じ部落出身。その部落は現在窮地に陥っていた。
お互いにモヤモヤしている桃次郎と千葉。遂に大喧嘩に発展。死闘の果てには友情が芽生える!

砂金で大金持ち。借金生活とはおさらば…を夢見ていたジョナサン。ところが結果は散々。再びトラックへの道を辿る。
桃次郎は、佐渡の学校の修学旅行をトラックで金沢まて引率する事になる。
ところが金沢でとんでもない奇跡が起こる。遂にこのシリーズも終了か?しかし…。

クライマックスは、金沢から新潟までの、警察とトラック野郎達の意地と意地のぶつかり合い。
果たして警察は爆走するトラックを検挙する事が出来るのか?

「警視総監に言うとけ、パクれるもんならパクってみい!」

毎回楽しいこのシリーズにしては、笑いの要素が少ないのはちょっと悲しい。シリーズ特有の勘違いや、ジョナサン一家総登場等の持ち味を捨ててしまっている辺りが、笑いが弾けない原因として在るのだろう。今回ライバルにあたる千葉真一のキャラクター自体が、それ程面白く無いのもその一因の1つ。
唯一、大喧嘩の場面だけは面白いのだが。あれは鈴木則文監督特有のいい加減っ振りが素晴らしい作用をしているからで在って、キャラクター自体にユーモアが足りないのだ。
由利徹や南利明等による、毎回楽しいコメディリリーフ役も、今回は空振り。
八代亜紀が一曲歌う場面は良かったが、このキャラクター自体が全く必要無かった気がする。
加えて、千葉と夏樹の出身部落の問題が途中で投げっぱなしなのも、中途半端さに拍車をかけている。
このシリーズの中ではそれ程良い出来とは言えないだろう。