八咫

日本で一番悪い奴らの八咫のレビュー・感想・評価

日本で一番悪い奴ら(2016年製作の映画)
4.4
2019/3/5 1回目の視聴

これだけ悪いことして逮捕のきっかけが覚醒剤かー。
むしろ覚醒剤やらなければ逮捕されたなかったのかな、それがすごい。
西暦が10年単位で変わる中、綾野剛はそれに伴ってそこまで老け込まず、でも最後に一気に老け込んだのが絵的にもよかったかも。
一人の人間の栄枯盛衰を描いた一つの映画。娯楽映画としては普通によかったかな。

脚本 4
美術 3
演技 3
演出 4
チープ感のなさ 4
満足度 3
その他(音楽、カメラワーク)
総合スコア 3.5


2020/9/14 2回目の視聴

最近綾野剛に萌えてる自分は初見の新宿スワンに酷い食あたりを起こしたので口直しのためにこちらを2回目の視聴。いやーかんっぜんに面白い!新宿スワンというクソ駄作と相対的に見ているせいかもしれないけど、1回目の時よりも面白いと感じた。一度目の視聴では次に何が来るか分からない恐怖人から少しストレスを持って観たのを覚えているけど、そこから宇多丸のウィークエンドシャッフルを聴いたりしてこの映画の面白さを改めて知ってから観ると、一度目とは違い笑えるポイントも分かって、たしかにそこがめちゃくちゃ面白い。次長の「銃を買うんですか?」に対する答えが「はい買いますよ」って大真面目に答えるところとか、覚醒剤20kgの密輸を見逃す方便を前年30kg押収したからそれを下回るという謎の理屈とか。それをいい大人が、しかも警官が大真面目に話してそれが通っちゃうんだよね。
この映画の秀逸なところはひたすら陰鬱な雰囲気に徹せず、笑える所は笑える時間を与えている所だ。極度の緊張下で不謹慎にも笑ってしまうことに似ている。いやそれよりも少しユーモアがあるかも。いやーそれにしてもなんで新宿スワンはこう出来なかったんだろう。そうだ。新宿スワンとこの映画での共通点は、綾野剛演じる主人公が夜の街の住民に声をかけられるシーンだ。まあそれひとつとっても新宿スワンは最悪だった。共感性羞恥が働く。
にしても綾野剛ってすごいよね。この映画では全く男性てか魅力を感じないんだ。イケメンだとも思わない。恥ずかしい男、諸星を演じている証拠だ。
口直しとしては超充分だったし、評価も大幅に上げる。孤狼の血も最高に良かったし白石和彌監督のファンになった。
あとね、大好きなのが最初と最後。音楽が最高に合ってる!オープニングのこれから悪さをする若者とその若者の功績、それから入社式?の新入警官が全力で日本国歌歌って途中で息切れ出るのがまたそれらしくて良い。エンディングは諸星のその後の顛末、最後の日本国国旗へのズームイン。これをあの音楽と共にしたのが最高に気持ちよかった。

脚本 4
美術 4
演技 5
演出 4
チープ感のなさ 4
満足度 5
音楽 5
八咫

八咫