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アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場のgolgomanのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

アメリカとの合同軍事作戦の指揮を執る、イギリス軍諜報機関所属のキャサリン・パウエル大佐(ヘレン・ミレン)は、ある日大規模テロ計画の情報をキャッチ。敵さんの居所を突き止めた彼女は、国防相のベンソン中将(アラン・リックマン)とあーだこーだ議論すすめて、ドローンを駆使したミサイル攻撃を計画。
よっしゃ撃てぇ〜と指示した矢先、ドローン・パイロットのスティーブ(アーロン・ポール)から「殺傷圏内に少女が居るから撃てませーん!」と連絡が入る。少女居たらそら撃ったらダメでしょー、いやしかしここで仕留めないとこの後のテロで80人以上が犠牲になっちゃいますよ?あーだこーだあーだこーだ。
というお話。

立場が変われば「正義」の形も変わる。
いますぐテロリストを始末しないと、のちに多くの犠牲者が出るという主張。
幼い少女を殺めることは倫理に反するという主張。
少女1人の命と、80人の命。
このどちらを選ぶのかという、究極の選択。
もー、、、ただただ恐ろしい。

政治的にあーだとか、人道的にどーだとか、結局責任のなすり合いをしてる偉い人達とのやり取りは観てて不愉快だったけど、まぁ実際あんな感じなんだろなーと。

ベンソン中将の孫?娘?と、爆撃に巻き込まれた現地少女との対比。
軍事作戦の会議入る前に女の子向けのおもちゃを購入するベンソン。
会議前に部下っぽい人におもちゃ預けといて、作戦終了後また部下からおもちゃを受け取るのよ。
このシーンのさ、亡くなった現地の女の子との対比がね。。。
特に強調するでもなく、しかしテーマに深く触れている、絶妙な演出でした。

あとさ、爆撃を躊躇した理由って「少女」が居たからだよね?
これが仮に成人男性だったらまた話は変わってくるんだろね。少なくとも、少女よりは躊躇度合い減りそうな気がしてしまう。
倫理の分かれ道だね〜。。。


ちょっと気になった点。
・虫ドローンとか鳥ドローンの精度。あんなに小さくて、あの高解像度の映像と長時間飛行。映像の送受信の誤差も無しって、ホントにそこまでの技術になってんの?

・「少女いるから撃てませーん!!」で上官が許してくれんの?(※爆撃出来ない事を否定してるわけじゃございませんよ)

・もっと緊迫感の演出盛っても良かったかも。(不謹慎かもしれませんが。)




アラン・リックマン最後の出演作(本人出演としては)だったそうな。
スネイプ先生とはまた全然違う味わいで良かった。
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