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貞子vs伽椰子のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

貞子vs伽椰子(2016年製作の映画)
4.3
偶然手にしたビデオデッキを再生した女子大生・有里(山本美月)。そこには、観るもおぞましい映像があった。観た者は、貞子から電話がかかってきて2日後に必ず死ぬという「呪いの動画」。その時から奇妙な現象が始まるのだったー。
一方、親の転勤で引っ越してきたばかりの女子高生・鈴香(玉城ティナ)は、向いの空き家が気になっていた。入ったら行方不明になるという噂の「呪いの家」。
とある事件から家に足を踏み入れてしまったのを機に、彼女の身と家族に不可解な出来事が起き始める。
「呪いの動画」と「呪いの家」の2つの呪いを解くため立ち上がった、霊媒師・経蔵(安藤政信)。
彼が企てる秘策・・・、それは拮抗した力を持つ貞子と伽椰子を激突させ、同時に2つの呪い滅ぼすという驚くべき計画だった。
「リング」と「呪怨」という日本ホラー映画の代表する二大シリーズが、奇跡のクロスオーバー。
ビデオテープが廃れた現代社会にどうやって呪いのビデオの恐怖を復活させるかの仕掛けや呪いが伝染する描写も説得力があるし、何よりも最近あり得ない描写に走りすぎた二大シリーズを原点の関わったら最後蟻地獄のように呪いに引き摺り込まれるという絶望感をひざひざに味わせてくれた白石晃士の豪快かつ手堅い演出がジェットコースターのように観客を恐怖に引き摺り込んでいる(伽揶子の呪いにかけられた鈴花の一家が皆殺しにされる一連のシーンの絶望感、貞子の呪いから逃れようとした有里の親友の死に様の最怖レベルの怖さ)。
安藤政信が演じた霊媒士・経蔵のブラックジャックのようなかっこよさが、印象的。貞子と伽揶子の呪いがぶつかり合い、日本ホラー映画の歴史が変わる最怖のラストに雪崩れ込む一連のシーンは、二大シリーズ最怖の恐怖を味わせてくれる。 
「バケモンにはバケモンをぶつけんだよ!」
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