Masato

君の名は。のMasatoのレビュー・感想・評価

君の名は。(2016年製作の映画)
4.7
追記 2回目鑑賞

公開から数日経ったので、内容に深く入った感想を書きます。
2回目で気付いたことは【災害】
私たちが経験した2011年の東日本大震災。人間というものは大事なものでさえも時として日々を過ごす中で忘れていく。
私を含め、関東圏の人は多くの人がニュースで見たものやテレビのドキュメンタリーで感じたものでしか実際の被災者の負った傷というものを知らない。
この映画では、彗星が落下した時に実際にその場にいた人たちに主人公の瀧が入れ替わることで、唐突に亡くなってしまった、あるいは傷を負ってしまった人の悲惨さが直接的かつ客観的に伝わってくる。
その後に、彗星が落下してくるのを知っている状態の時の人々の状況下を見て、私はこうして不条理な自然の被害の後、助けの手を差し伸べることがいかに大切かをみにしみて感じることができた。

そういったテーマを「運命の人」というものと絡めているのが素晴らしい。
組紐のように、すべての人や事物は繋がっている。同じ人間や物が被害にあった時、必然的に繋がっている私たちは人類全てが運命の人だ。一人一人が誰かの運命の人である。人というものの大切さは計り知れないと感じる。

追記終了


まだ会ったことのない君を探す

試写会にて鑑賞。

新海誠作品は秒速〜、言の葉の庭、ほしのこえを見ています。
どれも共通するのはアニメで描かれる壮麗な景色と、切なさと言ったら右に出るものはいないほどの圧倒的なストーリー、ラストの「会いたい」という気持ち。
今作にも共通し、新海誠ファンには大満足であり、新海誠作品の中でも最も万人受けするような最高の映画でした。

鑑賞前に深く調べる事は控えた方が見ているときに楽しさを感じられる。
万人受けするとはいえ、王道的な部分もありながらストーリーの構成が大変上手なために一瞬にして終わりました。素晴らしいの一言です。

最初の10分で2回目鑑賞を決意しました。ここまで鳥肌の立った冒頭は久しぶり。ある同い年の男女が彗星の降った日の後、夢の中で入れ替わるという奇想天外でスピリチュアルな設定をクスッと笑えるように描きながらも、思わぬ方向へストーリーを持ち込んでシリアスな部分も含ませ、そこの中に青春やもどかしいほどに「会いたい」という気持ちをふんだんに描写していた。

まだ会ったことのない君を探す。会いたい、会わなければならない。そんな気持ちがひしひしと伝わります。この気持ちは今までも感じたことがありました。それは新海誠作品です。この「会いたい」は新海誠のテーマだと思います。
みんなは、ふとした時にあの時好きだった人や仲が良かった人に会いたいという気持ちが少なからずあると思います。あの時の楽しさや恋しさを忘れられなくて。
そんな気持ちを奇想天外な青春の寓話にして表現する新海誠は本当に素晴らしい。

この映画はファンタジーではあるが、描いている心情はとてもリアルで普遍的なものです。それを見た人たちそれぞれにどんなものでもいいから感じ取って欲しい。私には当分忘れそうもない感触を得ました。

映画のシーンに合わせてかかるRADの音楽はとても素晴らしい。映画の世界観をよく表現していた。なんていうか全てが抜け目ない。誰しもが笑って泣けて楽しんで沁みる素晴らしい映画です。必見。

↓そして、この映画を観た後に「秒速〜」の主題歌の山崎まさよしのOne more time, One more chanceを聞くと、どこか主人公二人と重なり合ってしんみりします。
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惜しい点は最後の終わり方!
Masato

Masato