横須賀アット

君の名は。の横須賀アットのレビュー・感想・評価

君の名は。(2016年製作の映画)
5.0
新海誠という人物は日本に於ける自主製作アニメの文化を一段も二段も押し上げていった人物である。
圧倒的に美麗な映像に、切なく、苦しく、希望を持たせる世界観やストーリーをこれまで描いて来た。
初の短編作品である、『ほしのこえ』でその才能に震え、『秒速5センチメートル』で心を砕き、『言の葉の庭』で希望を見いだしていった。
そして、今作『君の名は。』は新海誠監督がこれまで紡いできた軌跡。まさに、集大成的作品。

『ほしのこえ』SF展開、
『秒速5センチメートル』でのすれ違い、
『星を追う子ども』のファンタジー、
『雲の向こう、約束の場所』の時間、
『言の葉の庭』の未来への希望。
その全てが1つの紐のように纏まり、すれ違う二人を繋いで行く。

あちらこちらに過去作を思わせてくれるのでラストの展開は辛い結末を迎えた過去作の違った姿を重ねてしまい心が浄化する思いをしました。

久しぶりに日本のアニメ業界が置き忘れてしまった少年少女のジュブナイル作品を堪能し、晴れやかな気持ちになった。そして、新海誠という素晴らしい監督作品が多くの人の目に触れることを願います。

夏の劇場アニメに新海誠監督の名が刻まれる何て嬉しすぎる。

最後に、女の子の体に入れかわったら、そりゃ揉むよね……おっぱい。
(この一言で台無しだ\(^_^)/)

~~~~~~~追記~~~~~~~~~

瀧と三葉が入れ替わる理由が解らない。明確な理由が述べられていない。と、おっしゃる方が少しながらいらっしゃる様なので追記してみたいと思います。

脚本を書く段階で、冒頭にその作品がどんな物語なのかが明確に書かれている場合があります。
少なからず、書く作品は多いです。
例えば、バットマンの冒頭だと両親を殺された事がバットマンになる影響を与えた様に、物語の根本が語られます。

では、君の名は。ではどうでしょうか?
冒頭のシーンで満員電車の中、三葉が瀧に髪を結んでいた紐を手渡します。
これは、終盤でも見られるシーンですが、このシーンが決定的に二人を表している場面でしょう。
赤い紐はいわゆる『運命の赤い糸(紐)』
作品の冒頭で運命の赤い紐を三葉が瀧に手渡す。
これは運命であり偶然何かじゃない、結ばれた縁と言って可笑しくないでしょう。