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君の名は。のSのレビュー・感想・評価

君の名は。(2016年製作の映画)
5.0
絵の美しさ・巧妙な伏線・息もつかせぬ展開…
ただのボーイ・ミーツ・ガール物と思うなかれ!
世界よ、これが日本のアニメだ!!


めちゃめちゃ好きな映画です。私の中の映画観を変えてくれた作品。
実は劇場で見たのかなり遅くて、4回しか見ませんでした。すごく後悔。もっと早く見ておけばよかった。
映像がとても美しくて、アニメのイメージが変わりました。実写より映像綺麗ってどういうこと!?実際にある場所が舞台で、日本の美しい風景を見れるのも魅力ですね。黄昏時のシーンとても好きです。1つ1つのシーンが計算され尽くしていて、静止画でも1枚の写真かのような美しさ…。

何度も見て感じたのは脚本の素晴らしさ。「上げ」「下げ」のタイミングが絶妙。
謎だらけの状態から始まる前半、怒涛の展開が連続する後半。特に最後にかけての、瀧君の絶望からの町を救おうとする三葉達、瀧君との邂逅から、父親説得まで息をつかせぬ展開で、観客の「あ、これ上手くいかないんじゃ…」「いや、まだ希望がある!」という感情を何度も何度も揺さぶる。
普通謎解きがある後半って、あくまで答えが‘合ってるか合ってないか’で観客は一喜一憂するかと思うんですが、この作品はちゃんと別のところで感情を揺さぶりにかけてくる。スゴい。
あと、最後の最後でタイトル回収したのとてもよかった!そういうオチだったんか!好き!

この作品は2つの異なる時間軸、都会生活と地方生活、男子と女子、といった対立を描いたものでもありますが、それがとてもおもしろい。特に時間軸についても沢山のヒントが隠されていて、それもあってリピーターが増えたのかな。
私はこの、ヒントを探して頭をフル回転させならがら見るの楽しかったです。でもそれも説明不足とかでは決してなくて、ちゃんと画面にヒントはあって。だからこそ、描写不足ではなく、何度も新しい発見を求めて色々な人が見に行ったんだろうな。そこのさじ加減も絶妙に上手い!
月の形が時間軸で描き分けられてるとか、巫女舞の振り付けが彗星に起こることを暗示してるとか…。細かっ!画面の中の物全てに意図があって鳥肌たちました。

たまたまタイミングが良くて、英語字幕英語挿入歌verも劇場で見ましたが、自分が日本人であることにこれほど感謝したことはありません。瀧君(の中の三葉)が一人称を何度も言うシーン、英語だと全部‘ I ’ですから。あちらとこちらの概念もなかなか海外の人が理解するの難しいだろうな…(と字幕を見ながら思った)

最後に、この映画で1番びっくりしたのが「広告の有名な階段のシーン、映画内では有り得ないんか!」
ということでした(笑)


【勝手な評価】
ストーリー︰☆5
脚本︰☆6(もうMAX超えるわ!)
映像美︰☆6
キャラクター︰☆5(自分は司君派!)
夕暮れに「誰そ彼…」と呟いてしまいたくなる度︰☆5
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