冴月

君の名は。の冴月のネタバレレビュー・内容・結末

君の名は。(2016年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

この作品の前にも、手触りの違うボーイ・ミーツ・ガールの物語をいくつも紡いでいる新海監督。本作は監督最大のメガヒット作となったわけですが、プロデューサーの関係もあるのか、今までの作品が良い意味で「閉じて」いた、監督の内面世界を覗き込んでいるような感覚だったのに対し、「君の名は。」は、もっとエンタメ色が強いというか、「開いて」いるような印象を受けたのを今でも覚えています。インディーズの頃から好きだったバンドがメジャーになった時に作風が変わる事があるけど、それに似ている感じです。

入れ替わって惹かれていく高校生の男女。田舎と都会での暮し。本当はズレていた時間。隕石で崩壊へと向かう村をティーンエイジャーが救う。いつくもの太陽がある美しいビジュアルは青春物語との相性も抜群だなあと。私は長野の田舎で育って東京で暮しているので、新宿や四谷の風景も勿論田舎の景色もカフェがないと嘆く三葉達も全部に懐かしさと共感、既視感を感じました。

神社など和風のモチーフも取り入れつつ、「ほしのこえ」の様なセカイ系の要素もある作品。「あの3・11がもし止めらるのなら」という暗喩になっている事もあり、僕と君が出会うのは、とんでもない奇跡なんだなあと思わせられる物語。
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