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何者のフジのネタバレレビュー・内容・結末

何者(2016年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

【2020#026】
 就活対策本部をアパートに開いた拓人(佐藤健).瑞月(有村架純).光太郎(菅田将暉).理香(二階堂ふみ).隆良(岡田将生)が就活に臨む話。初めは情報交換など協力して就活に励んでいたが、成否に差が現れ始め、軋轢や不信感が徐々に生じていく...。


 朝井リョウ原作。話は終始重たい感じで結末も前向きなものではなかったがなぜか嫌な感じはしなかった。みんなそれぞれの立場や環境があるということを受け入れてみることができたからかもしれない。
 就活対策本部に集まるメンバーのなかで、この場で自分の全てをさらけ出している人はいない。この場で言ってないないことをTwitterに投稿することもしばしば。でもそれって普通だと思った。Twitterの発言と本部での発言が違えども、両方とも「それなりに自分」であることに変わりはないのだし...。
 拓人は冷静に分析するキャラだったが、分析といっても客観的に見れば人や物事に難癖つけているだけ。何とか相手の悪いところを探すことで、探せた自分に酔いしれている。相手の欠点で満足してしまうから自分自身の成長には何らつながらない。彼は終盤に理香にガツンと言われてしまったが、むしろそれは彼にとって大きな救いだったのかもしれない。
 個人的には最後の方のシーンで舞台仕立てになっているところが拓人の熱中していた演劇とリンクしていて面白かった。
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