17.11.18@大泉#2
人は皆、物語が必要。
母を亡くし天涯孤独になった少年。
本作を彼の妄想と観るとあまりに虚しいが、先立つ母親が少年の為に遺した寓話、あるいはスタジオライカが(この架空の)少年の為に作った物語として観たら涙止まらず。
これはラストで村人たちが、痴呆老人の為に彼の物語を作ってあげるのと同じ構造だ。そして本作を観る我々自身がこうした物語を必要とする理由にもなっている。
竹取物語の時代から、人は物語なしには生きていけない。だからこそ、ここまで途方もない時間を掛けて作ることに意味があると思わせてくれた。日本が舞台の「日本へのラブレター」だったが、テーマは万国に共通するものだった。