このレビューはネタバレを含みます
「パパは何になりたかったの?
なりたいものになれた?」
「パパは…まだなれてない……でもな、
なれたかどうかは問題じゃないんだよ
大切なのは、そういう気持ちを持って生きてるかどうかってことなんだよ」
強い雨と風が吹く嵐の中。
遊具の中で身を寄せあって、湿気た煎餅を食べながら、夢を早いうちから諦めている息子に話す所も。
テレサ・テンの「別れの予感」が流れる深夜のラジオをBGMに、樹木希林演じる母と阿部寛演じる息子の会話も。
自分は息子(阿部寛)から嫌われていたと思いながら逝った父親。人づてに聞いた父親の本当の姿を知る所も。
いちいちセリフが深いし、グッとくるシーンが多すぎました。
同時に失ってから初めて気づく尊さを
凄く実感します。
ラストの阿部寛の背中と主題歌流れるエンドロールでは感極まって泣いていました。
台風の後には気持ちが晴れやかになるように、鑑賞後は「いい映画を観た」と胸を張って言える作品です。