クリーム

好きにならずにいられないのクリームのレビュー・感想・評価

好きにならずにいられない(2015年製作の映画)
3.8
ジャケから、勝手にもっと軽くコメディ寄りだと思ってたら、全然違った。
これはこれで面白かったです。
主人公が出て来た時、良い人だけど流石にそのヴィジュアルは厳しいだろうと思ったのだが、案外キモくなくて、可愛いく見えて来る。表情の起伏がほんの僅かなのも味があって良い。音楽も景色もずっと陰鬱で、暗いラブストーリーだけど、ちょっと温かい。モテない独身男の成長物語だった。

43歳の独身男フーシは、デブ、ハゲ、オタク、コミュ障、童貞とモテない人生を歩んで来た。しかし、母や他人を思い遣る心優しい男。フーシは、母の恋人から誕生日にダンス教室のチケットを貰い、気が進まないながら出掛けると悪天候の中、自宅まで送って欲しいと言う女性と出会い、彼女に恋をしてしまうのだった。



ネタバレ↓



彼女シェヴンは、積極的にフーシを誘い、彼はすっかりその気になってしまう。旅行に行きたいと言うシェヴンの為にエジプト旅行の予約をして、彼女に合いに行くと「私の事は放っておいて」と追い帰された。
フーシはシェヴンに会う為、ダンス教室へ行くが彼女は来なかった。彼女の家へ行き窓を割って部屋に入ると部屋は荒れ放題で、彼女はクローゼットに引き籠っていた。フーシは有給を使い、彼女に寄り添うための長期休暇を取得し、奉仕する。彼女の代わりにゴミ処理場で働き、シェヴンの家の掃除や食事作りをする。ある日、大きな花束を買って帰ると、シェヴンがようやく出て来て、自分がうつ病であると打ち明けてくれた。
シェヴンは回復し、花屋を経営するという目標を立て、シェヴンの希望で2人は同居する事になります。しかし、シェヴンはドタキャン。またも殻にとじ込もってしまった。
彼女を忘れられないフーシは、シェヴンが気に入っていたテナントを買い取り改装。鍵を彼女の家のポストに入れ、2人で行くはずだった旅行へ1人で向かった。フーシは飛行機の窓から見える滑走路を眺め、僅かに微笑みを浮かべるのだった。

メンタルに問題ある人との恋愛は、大変そう。でもフーシは、それに動じない懐の広さがあって、段々、素敵な人に思えて来た。最初は、さすがにその見た目や行動は厳しいなぁって思ってたけど、人間性が良いので応援してしまう。ただ、シェヴンはやめとけ!あんなに難しい女性は、初心者マークのフーシには無理だと思う。ラストの微笑みは、彼女との事が吹っ切れたと思いたい。
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