ダンケルクからの撤退作戦を描いた映画ですが、作戦とか戦略とか、そういったものは一切出てきません。空からの爆撃、潜水艦からの魚雷に怯えながら、何とか戻ろうとする兵士達を追っただけの物語ですが、そこはノーランらしく、一筋縄ではいかないのです。大型船、小型ボート、そして爆撃機の物語がダンケルクで交差して、徐々に全体像が見えてくる様が非常に複雑で目を離せません。全体像が見えてからもう一度見ないとわからないかもと思いました。全ての画面が伏線、そんな感じです。集中力と注意力を問われる映画です。
この撤退作戦は多くの兵士を救えたという意味で成功だったと言われていますが、軍、民間問わずに、敗走する兵士を救おうとし、撤退戦を成功とする考え方は、同じ頃の日本を思うと全然違うなと思います。
