メタルマン

ダンケルクのメタルマンのレビュー・感想・評価

ダンケルク(2017年製作の映画)
4.1
神映画しか作れないただの神、クリストファー・ノーランが初めて実話をベースに取り組んだ超大作。

ただ、第二次世界大戦時の出来事とはいえ、戦争アクションを期待して観ると物足りなさを感じてしまうかもしれない。
これは撤退戦であり、侵攻戦でも防衛戦でもない。
兵士達は死地から脱することだけを考える。敵に真っ向から立ち向かうのではなく、背中を見せてでも国の未来のために生き延びようとする。
じわじわと迫り来る死の恐怖を描いたタイムリミット・サスペンスとして観れば、その緊張感はまさに指折り。

間違いなく世界最高の劇伴作家であるハンス・ジマーが音楽で絶え間なく観客の不安を煽り、ノーランは相変わらずの徹底した実物主義で、ダンケルクの地に主人公共々観客を放り出す。

映画の中には絶対にスクリーンで観るべき作品が多々存在すると思いますが、このダンケルクもその中の一つ。
といいつつ、正直私もIMAXで観れていないのでもっとIMAXシアターが増えてほしいですね(´・ω・`)

久しぶりに劇場でパンフレットを買ったので鑑賞後に読んでみたところ、このダンケルクでの出来事に至るまでの戦争の流れや、ダンケルクから40万人生き延びた事実がどれだけ世界の歴史において重要だったか、詳しく解説してくれており、かなり充実した内容でした。
その知識を踏まえた上でもう一度この映画を観れば、ノーランが作品に込めた想いもより深くで感じられるかも。
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