『ダンケルク・スピリットを忘れるな』
第二次世界大戦のダンケルク大撤退を描いた本作、この作品は是非映画館で、そして出来ればIMAXで観ていただきたいです！
CG一切なしの迫力溢れる音と映像、オーディションで集められた無名の若手俳優達の濁りない演技と、ここぞというときに魅せてくれる大物俳優の圧巻の演技、そして陸・海・空の3つの視点と時間軸を巧みに絡ませる物語構成…
話自体はシンプルな「脱出劇」に、劇中に会話がほとんどないにも関わらずスクリーンに釘付けになる106分。
最後まで姿の見えない敵（ドイツ兵）を登場人物達と共に恐れ、スピットファイアを全力で応援しちゃいました…
人を「一つの命」として扱うことを忘れがちな戦火の中で、救える命がほんの一握りとわかっていて尚、戦場に向かっていく勇気と責任がどれだけ尊いか…
その勇気と責任が860隻分集まれば奇跡だって起こせることも歴史は語っています。
誰かが踏み出した小さな一歩が世界を変え得ること、そしてやはり、一人の命がどんな場であっても貴重とされるべきことを忘れてはならないと強く訴えかけてくる作品でした。
ひとつ残念なのは、日本で70mmフィルムの映画を上映できる映画館がないことです。
まだまだ監督のやりたいこと、感性に日本が追いついてないんだなぁとため息を漏らさずにはいられません。
