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ダンケルクのwawvv808のネタバレレビュー・内容・結末

ダンケルク(2017年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

防波堤:一週間の出来事
一人の兵士がダンケルクの防波堤に辿り着くことから物語は始まります。青年の名前はトミー、ドイツ軍からの追撃を生き残った若き兵士です。市街地から逃げ延びたトミーが目にしたのは、曇天の下救出の船を待つ40万人の連合国兵士の姿でした。そんな中、トミーはギブソン、アレックスら若い兵士たちと行動を共にし、なんとか海軍の船に乗り込むことに成功します。船の中で支給されるパンに食らいつくトミーでしたが、安心したのも束の間、船はドイツ軍の魚雷攻撃を受けてしまいます。船内から逃れ、救命ボートに助けを求めるトミーたち。しかし、救命ボートに乗った将校はトミーたちの乗船を拒否します。乗船ボートの定員はすでにオーバーしていたのです。水温がさほど低くはなかったことが不幸中の幸いでしたが、トミーたちの気力と体力は衰弱し続けていました。そして、トミーたちは再びダンケルクへと流れ着きました。ドイツ軍の進撃が刻々と迫る中、トミーたちはしばし茫然と砂浜に座り込んでいました。すると、そこでトミーたちは砂浜の外れに向かう高地連隊の姿に気づきます。彼らについていくと、そこには民間の船舶が砂浜に乗り上げていました。それはオランダ人の船長が連合軍を救うために用意した船でした。一行は早速その船に乗り込み満潮時間まで待つことにしますが、突然船外から何発もの銃撃を受けてしまいます。オランダ人船長はこの攻撃で死亡、動揺したアレックスは無口なギブソンをドイツ軍のスパイと決めつけ、外に出て攻撃の的になるよう脅しをかけてきました。トミーからかばわれてギブソンはやっと言葉を発しますが、それは同盟国であるフランスの言葉でした。イギリス軍から救出してもらえるように、ギブソンという名の兵士の服を盗んで着ていたのです。こうしたやりとりをしているうちに満潮の時間が訪れ、船は動き出しました。しかし、何発もの銃弾を浴びた船は浸水が原因で間もなく沈没。トミーとアレックスはなんとか海中に逃げたものの、ギブソンは逃げ遅れ船とともに海へと沈んでいきました。トミーたちはその後、イギリス軍の掃海艇に救助されますが、その船も爆撃を受け沈没。トミーたちは重油まみれの海へと落ちて行きました。

海:一日の出来事
戦禍のダンケルクに向けて一隻の小型船がイギリスの港から出発しました。乗船しているのは、船長のミスター・ドーソン、息子のピーター、その友人のジョージです。その途上で、一行は謎の英国兵を救助します。戦闘神経症が原因で憔悴しているこの男こそ、トミーたちの救命ボートへの乗船を拒否した将校でした。乗っていた船が沈没し、ただ一人この男だけが生き残ったのです。ミスター・ドーソンがダンケルクに向かっていると告げると、男は興奮し運転を妨害してきました。死地に二度と戻りたくないと必死に主張する男でしたが、このもみ合いの中でジョージが頭を打つ大けがを負ってしまいます。ジョージには早急な治療が必要とされましたが、ミスター・ドーソンはそれでもダンケルクに進み続けました。息子を戦争で失っているミスター・ドーソンにとって、自分たちの世代が始めた戦争で若者が傷ついていることは耐えられることではなかったのです。一行の頭上では、イギリス空軍の戦闘機スピットファイア三機がダンケルクに向けて飛び立っていきました。空軍所属だった息子を思い出し、誇らしげに空を見上げるミスター・ドーソン。しかし、その後一行は不時着したスピットファイア一機を発見します。一行は急いで現場に急行し、若きパイロットのコリンズを救出しました。ダンケルクが近づくにつれ、ドイツ軍による攻撃も激しさを増し、海の向こうには煙と炎が広がっていました。そして、ムーンストーン号はその絶望的な光景へと向かって行きました。

空:一時間の出来事
ダンケルク救出作戦を援護すべく、三機のスピットファイアがイギリスを旅立ちました。しかし、ダンケルクに到着する前にドイツ機と遭遇、激しい戦闘の末敵機の撃墜に成功したものの、隊長機は撃墜されてしまいます。この戦闘でベテランパイロットのファリアの機体は損傷を受け、燃料計が故障してしまいました。ファリアは若きパイロットのコリンズから知らされる燃料計の数字を基に飛行計画を組みますが、その後の戦闘でコリンズの機体も攻撃を受け、海に不時着してしまいます。帰還時の燃料を計算に入れておかねばならないことをファリアは承知していましたが、救出作戦のためにそのまま飛行することを決めます。やがてファリアの視界にダンケルクの海が入ってきました。ファリアはそこで敵の攻撃を受け沈没しつつある掃海艇を目撃します。その船はまさにトミーたちが乗っていた船でした。ファリアは空中から無情な攻撃を繰り返すドイツの爆撃機の撃墜に乗り出しました。しかし、ファリアの機体の燃料は限界に近付きつつありました。

防波堤ではボルトン海軍中とウィナント陸軍大佐が救出作戦の現場の指揮を執っていましたが、ドイツ軍の激しい攻撃を受け、絶望的な状況に連合国軍は置かれていました。ボルトンが厳しい表情を浮かべていると、海の向こうに信じがたい光景が広がっていることに気づきます。「故国だ」。思わずそうつぶやくボルトン。海には何隻もの民間船舶の姿があったのです。その中には、ムーンストーン号の姿もありました。重油に引火した炎が間近に迫る中、トミーとアレックスは救助船になんとか乗り込みます。ムーンストーン号でも救助が行われていましたが、その最中にジョージの死が確認されました。友人の死に悲しむ気持ちを抑えながら、ピーターは父親とともに救助に励みました。ドーヴァー海峡を越え、トミーとアレックスは故郷に戻りました。トミーは新聞に書かれたチャーチル首相の「撤退に成功しても戦争には勝てない」というスピーチを無表情で読み上げ、アレックスは敗残兵として非難を受けることに怯えていました。しかし、その予想に反して故郷では笑顔の人々が待ち構えていました。人々は兵士が生き延びたことを心から喜び、賞賛の言葉を口にしていました。救出作戦に貢献したミスター・ドーソンの活躍もまた讃えられていました。そんな中、ピーターはジョージの写真を地元新聞社に持ち込みました。その後、その新聞社はジョージを救出作戦の英雄を讃える記事を掲載します。ピーターは船上での友の勇敢な姿を人々に伝えたかったのです。一方、ダンケルクの防波堤ではボルトンがウィナントら最後の兵士たちを乗せた救助船を見送っていました。ボルトンはいまだ救出されぬフランス軍の兵士を待つと言い残し、ウィナントたちに別れを告げました。空からの援護で作戦に大きく貢献したファリアは、ついに機体が燃料切れとなってしまいました。ダンケルクの砂浜を越え、ファリアはドイツ陸軍が迫る地域に不時着します。火を放ち機体を燃やすファリア。その背後にはドイツ軍が迫っていました。ファリアは降伏の意思を示し、ドイツ軍に連行されていくのでした。

hmhmシネマより

大学1年の時に視聴。
戦争を扱った映画の中で、新しいものを見てしまったと素直に実感した。敵であるドイツ軍兵士の姿が一切描かれず、主人公の戦闘シーンが全く映らず、劇中で丸っきり血が流れなかった。この映画の監督がインタビューで語っていた通り、戦争映画ではなく、サバイバルに焦点を当てたサスペンス映画だった。しかも主要な人物が若手俳優陣にもかかわらず、ナチュラルな演技で驚いた。しかし予備知識なしで見ない方がいい。せめてYouTubeに上がっている林先生の解説動画を先に見ておくべき。
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