RIO

ダンケルクのRIOのレビュー・感想・評価

ダンケルク(2017年製作の映画)
3.6
臨場感と没入感が凄まじい。
そう思わせてくれるのが、音響。
今作のなによりも良かったところです。

機関銃の銃撃音や魚雷による爆発音、緊張感を誘うようなBGMが本当に素晴らしかった。
刻一刻と迫っているタイムリミットをハンス・ジマーの素晴らしい音楽で表現することで、リアリティのある撤退劇を描けていました。

映像も本当に綺麗で美しいです。
クリストファー・ノーランの作風である、あまりCGを使わないこだわりがしっかりと映像に活かされてました。

ただ、1つ疑問だったのが、人が撃たれても血が少しも出ない。
別にグロいのが観たいわけじゃないんですが、普通は、爆発に巻き込まれたら、体のパーツは吹っ飛びます。
銃で撃たれたら血が出ます。

しかし、体のパーツが吹き飛ばないどころか、血すら出ません。
死体の山を映しているシーンに関しては、ただ寝転がってるようにしか見えない。

レーティングによってそうなってるのも理解できるんだけど、戦争の壮絶さを映したいはずなのに、そういうことをされると、本来あるべき信憑性やリアリティが欠けちゃう。

戦争の壮絶さやまるでそこに自分がいるかのような没入感や臨場感、素晴らしい音響と映像があった反面、
必要性のないストーリー構成や腑に落ちない演出が多かった。

傑作たちを生み出したクリストファー・ノーランの作品だけど、彼の作品の中では、好きではない方なのかな。
RIO

RIO