いめーじ

映画 聲の形のいめーじのネタバレレビュー・内容・結末

映画 聲の形(2016年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

原作は連載前の読み切りを読んだだけの状態で鑑賞。
いじめっことか嫌な思い出しかないのでマジ嫌いなんですけど、これには感動してしまったよ。

精神的、肉体的問題で皆コミュニケーションに苦労している。
小学校時代は観ているのがかなりキツい。高校での将也の孤独の雰囲気も凄いし、将也が自分の周りがキラキラしていくのを恐れたり、硝子達のアレコレも丁寧でヤバイ。永束の存在のおかげで気が緩むことも多くて意外と観やすかった。
手話もなかなかおもしろい。
自分は右耳が聴こえない程度ですが、ちょっと意識高めていきたいものだ。

それでいて性的なアングルが時々あり、特に植野の太股とか脚がとても良かった。結絃の制服姿もなんか凄かったな。
まぁそれよりも、あらゆる表情の描き方が良すぎて京アニ製作でほんと正解だと思えます。特に植野は性癖に響いたね。
将也の声優の演技もかなり好き。
顔にバツマークの演出は異様にマンガ的だと思いつつも特殊でおもしろかった。俺は将也と違ってずっと植野の顔ばっかり見ていましたが。
あと将也の後ろにずっと見えていた服のタグは本人が気づいていない何かしらのメタファーなのかな。

最終的に皆がいつの間にかいい感じになっていって収束したのはアリだと思った。植野かわいい。
めんどくさい過程はなんだかんだ「もういいか!」って感じに受け入れ合っているのは友情らしいなと思いましたね。「まぁそれがあんたか」的な植野のセリフが印象に残ってる。原作ファンの方からすれば描写不足でマイナスにもなるようですが、まぁ仕方ない。植野はかわいい。
そんで川井のキャラは生理的に無理でした。最後まで好きにはなれないキャラのまま終わった感じ。硝子を抱きしめて慰めるシーンなんかでは、お前は自分のダメなところを愛した結果タチ悪くなってるけどな!って思えちゃってもう駄目だ。千羽鶴もなんかアレ。ちょっと離れた距離から「やめてやれよーw」って言うだけのタイプはほんといるし、何年経ってもなかなか変わらない奴ばっかりですよ。こういうキャラも最後にキラキラさせているのはある意味凄い。
あと先生もヤバかったなぁ…小学校時代にしか出てこないけど、気持ち悪い印象が強く残る。
真柴は部外者だが、人生を新しく始めていくためには部外者だからこそ必要ってのがありそうですよね。でもセリフだけの奴って感じが強くて、もうちょっと掘り下げて欲しかったなぁと。
まぁ129分以上にするのもアレなのかも。

硝子と将也が恋人関係に発展するのかどうか曖昧なのも良かった。
それと何か希望が見えたように見えて、島田なんかとはおそらく壁ができたまま人間関係が続いていく、もしくは会わないでいくんだろうな。

ラストシーンは美しくて泣きそうになりましたが、上記のようにいろいろ考えたら、ぶっちゃけ画ほどキラキラした希望は感じられないんですよね。原作だともう少し信用できる余韻が得られるのだろうか…?

将也が病院を抜け出して硝子に「よっ」って挨拶するシーンなんかもほんと好き。

この作品の赦しに納得してしまう要因は、まず将也をキャラクターとして魅力的に描いているところが大きいのですが、個人的にはそれよりも、相手をどうしても嫌えない、信じてしまう的な、ある種の異常性を硝子から感じ取れるからってのもある。そういうのちょっと分かってしまう。

aikoの主題歌は違うだろ感。
どうでもいいんですけど、英語タイトルがThe Shape of Voiceであるせいかエド・シーランのShape of youが頭の中に流れてウザかったです。映画と言ってることが反対っぽい曲じゃねーか!植野に対してはそんな感じで観ていましたけど…