いめーじ

怪怪怪怪物!のいめーじのネタバレレビュー・内容・結末

怪怪怪怪物!(2017年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

無敵のヤンキーグループ・ミーツ・怪物姉妹

あいつらノリで繋がってるから、いじめっ子だろうと同じ行動してれば仲間に入れてくれるけど、結局は本質レベルで染まらないと認めて貰えないよね。

意外と狭い規模の話じゃなくて、姉が妹を探しながら未関係の人間をめちゃくちゃ惨殺しまくるパートがサイコー。
凄惨な状況は多いけど直接的なグロは少なくて、さほど露悪的には感じない。

元軍人のボケ老人と姉怪物の戦いシュールすぎ。

怪物をいじめたり恐れたり体現したりと多角的な作りが巧いし、怪物姉妹のルーツからしても怪物は作られるモノとして描かれており、ただの人間も環境によって変貌するし、するしかない悲劇に全員が晒されていた。

特に印象的なのは教師だった。
仏教を現実逃避の手段として信仰しながら、聖職者という皮を被ってるバケモンはタチが悪い。あの人の死が最も悲惨に描かれていたし、対して怪物姉妹は劇的な最後だったな。

主犯ヤンキーが明確なシーンもなくアッサリ殺されていたのはスッキリしないかもしれないが、彼をしつこく残酷に殺すシーンがあったら割と映画の印象が悪い方向で変わっていた気がするし、死んでしまえばモブと同じだよと冷たく扱ってるような演出にも感じてアリ。

諸悪の根源と怪物姉妹の脅威を乗り越えた後に見える世界が赤く一変し、形だけのいじめに少しも動じず全てを破壊するオチもシビれる。
主人公の最後は自ら死を選んだようにも見えるが、怪物の道を選んだ精神的な演出としても捉えられるんじゃないか。彼はとても"中途半端"だったから、どちらでもアリな気がする。
あのラストに爽快感を感じるべきか、それでもやるべきではなかったとモヤモヤするのがいいのか倫理的に迷ってしまうし、本当に中途半端なやつは疲れますね。

対比的に存在する純粋すぎるバカと教室の外で過ごすクラスメイトが終盤には不思議と眩しく映る。
極端になることが1番ハッピーになる近道だろうけど抵抗感は拭えないし中途半端でいるのも苦しすぎる。

妹食人鬼ちゃんは一部の性癖の人に刺さりそうやね(^^)

台湾の学校には昼寝文化があるんだね〜。