きゅうげん

ザ・ボーイ 人形少年の館のきゅうげんのレビュー・感想・評価

ザ・ボーイ 人形少年の館(2016年製作の映画)
3.4
凝った画に期待はふくらみつつも……。
荘重なお屋敷に、古風な老夫婦、不気味なほど端正な人形などコワい要素満載な一方、ホームアローン的ジャンプスケアや「生きていない人形なのに」「誰もいない家なのに」など、シチュエーションの強みを生かした恐怖表現を、夢オチ扱いや創意の薄い工夫で貶めてるために怖さは半減。
DV元夫の「人形が超常現象おこしてるってのか!?」という正当な喚きは、一時間ぐらい前に聞きたかった。

「英国上流階級お坊ちゃまジェイソン」の登場にはさすがにビックリしましたが、マジックミラーや隠し通路などギミックで盛り上げるなら、お屋敷の間取りや動線をハッキリさせないとダメ!
壁を叩いたり鏡を介したりする描写を挿入するのは大事ですが、しかしそれ以上に「どこをどのように行けばどうすることが可能なのか」の論理的整合性は、超常現象をスッパリ切り落とすような本作ではもっとも無視してはいけない説得力であるはずです。
そう、本作はこのような恐怖表現から物語展開まで、いわゆる「伏線」が「予防線」程度にしかなっておらず、そのためホラーとして片手落ちな印象を覚えるのです。

ルックが好みだったために、このとりとめのない内容には残念。
ただ、グレタに扮するローレン・コーハンさん(『バットマンvsスーパーマン』のバットママ)のビックリ演技はよかったですね。ポスターもジェイミー・リー・カーティスと空見したし、世が世ならスクリーム・クイーンになれてたかも。
ところで、このオチで続編が作られているとか……。
なんか逆にチェックしたくなってきた。