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ウィッチのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

ウィッチ(2015年製作の映画)
4.6
1630年、敬けんなキリスト教徒であるが故に宗教的見解の相違から街を追い出されたウィリアム(ラルフ・アイネソン)とキャサリン(ケイト・ディッキー)夫婦と5人の子供たちが、米国・ニューイングランド州の村はずれの森の近くに移住してくる。が、ウィリアムの娘トマシン(アニヤ・テイラー・ジョイ)が生まれたばかりの赤子サムを世話している時、サムが突如、消えてしまったことにより家族は狂気の淵に陥っていく。赤子を連れ去ったのは森に棲む魔女なのか?それとも・・・。 
ロバート・エガース監督が、魔女伝説にまつわる文献や開拓民の生活の記録を徹底的に調べ上げ、当時の視点から魔女伝説による家族の崩壊劇を描いた意欲作。
宗教的見解から街を追い出され敬虔なキリスト教教徒ではあるが作物を育てることも狩りをすることが出来ない父ウィリアム、森の近くの荒れ果てた地で暮らすことに嫌気がさしていてヒステリックになっていく母キャサリン、両親に反抗心を募らせながらアンバランスなトマシン、姉トマシンを意識しながら敬虔なキリスト教教徒である弟ケイレブ、姉トマシンに対する反発から家族崩壊の原因とある妹の、キリスト教に対する敬虔な信仰と魔女への恐怖とお互いに対する反発や怒りや疑心暗鬼から、魔女の思惑通りに崩壊していく展開を、母がカラスに乳房を啄まれるシーンや魔女が血肉を自分の体やほうきに擦り付けて魔力を完全にするシーンなど身も凍るショッキングシーン、お互いに対する疑心暗鬼から血を分けた親子が争い憎む愛憎劇を絡めて描いて、街から離れた場所での閉塞感や魔女に対する恐怖がリアルで、サイコスリラー色の強い魔女伝説を描いた傑作オカルトサイコスリラー映画です。
トマシンを演じるアニヤ・テイラー・ジョイの無垢と妖艶さを組み合わせた、強さとピュアな魅力が、印象的。
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