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ぼくは明日、昨日のきみとデートするのsatoooのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

"僕は明日、昨日のきみとデートする"
原作の本を読んでみたい読んでみたいと思っていたが結局読む機会にありつけず手をつけることなくいたら、まさかの実写映画化。観るしか!
主人公のタカトシくんが電車に乗っていると、とても魅力的な女性がいることに気づく。一目惚れをし、人生で初めて自分から積極的に女性に声をかけてみる。素敵なそのエミという女性との別れ際、「また会えますか?」と聞くと彼女は静かに後ろを向き一呼吸置いたあと「また明日、会えますよ」と言い残す。。連絡先も知らないのに、どうやって?と疑問に思っていたが、ほんとにその"明日"はやってきた。目まぐるしくすぎる、たった30日間のふたりの恋人生活が始まる。告白に応える際、ひとつ言い忘れた自分のこと。「わたし、とっても涙脆い…」
5歳のときにタカトシくんがとある女性に救われたことをエミに話す。「わたしも5歳の時、死にかけた」とエミも応えた。タカトシくんがそのときに渡された箱、その箱の中身は「また会ったときに一緒に見よう」とそのときの女性に言われ中身を見ないまま持ち続けていた。
エミの門限は常に24時。急いで帰ったある日、エミが大事にしているメモ帳をタカトシくんの家に忘れて帰ってしまった。
そのメモ帳をタカトシくんは開いてしまうーーー
「彼女の秘密を知ったとき、きっと初めから読み返したくなる」という本のキャッチコピー。映画を観終わったあとは、まさにこれ!と思うほどしっくりくる、最高のキャッチコピーだと思った。
彼女の駆け抜ける人生は、彼とは真逆の世界で。「タカトシくんが5歳のときに助けてもらった女性は、30歳の頃のわたしなんだよ。わたしが5歳のときに助けてくれたのは、35歳のタカトシくんなんだよ。」
35歳のタカトシくんにもらったふたりの記録を辿り、エミはタカトシくんとデートしていた。タカトシくんとの過去の記憶がないエミをみて辛くなり、どうしてこの後どうするか知っているのにそんな笑顔で楽しそうに出来るのか訳がわからなくなり突き放してしまう。が、彼はようやく気づく。
彼にとってのはじめての"手を繋ぐこと"、"名前を苗字呼びからちゃん付け、呼び捨てにしていく過程"…それらはすべて、彼女にとっての最後。
彼にとってはじめて手を繋いだあの日は、彼女にとって最後に手を繋いだあの日。彼にとってはじめて呼び捨てをした日は、彼女にとって最後に呼び捨てをしてくれた日。。
それは彼女の方が辛い思いをし、はじめて会ったあの日が彼女にとって最後の日だったという事に気付かされる。
「また明日、会えますよ」と言って彼の元を去った彼女。電車に乗った瞬間泣き崩れたシーン、観ているこちらも本当に涙が止まらなかった。
もう一度見てもきっと涙を流せるだろう。何度観ても、つらくて、あったかくて、素敵な気持ちで観ていられる映画だなと思った。
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