せびたん

鬼談百景のせびたんのレビュー・感想・評価

鬼談百景(2015年製作の映画)
3.2
ちょい怖短編10個パック。
私は第1話が好きでした。これが1番おもしろかったです。登場人物達の軽い適当なノリが笑えるし、笑撃のラストがいい!
第8話も、変なノリで笑えて、おもしろかったです。また第9話は高校生のリアルでいい感じの存在感とか家族の描き方とかが映画として好きでした。

全体的によくも悪くも普通に低刺激をモットーに作られてたので私のようなほんの少しだけディープなホラー好きが気に入るタイプの短編はなかったですが、これからの季節に家族やカップルで見たりする用にいいんじゃないでしょうか。

題材の偏りはちょい気になりましたが。
オムニバスって聞くとつい「いろんな設定、いろんな話が見れて細部のバリエーションもいろいろ楽しめるんだろうなぁ」なんて期待をしてしまうわけですが、本作は作風や題材その他についてけっこうな偏りがありまして。

例えば全10話中3話に人の死が出てきますが全部首吊り自殺だったり。ホラー的には手首切るとか溺れるとか焼け死ぬとか斧で首チョンパとか生きたまま埋められるとかいろんな死に方があるはずなんですけどね。まあでも友達や彼女と一緒に「おいおいおい。まーた首吊りかよぉ。さっきから首吊りばっかじゃね?」なんて突っ込みながら見ればいいじゃないですかね。

Jホラーお得意の〈緊張感高める音楽+無言でゆっくりゆっくり動く役者さん+突然の物音〉でビビらせるパターンが多くの作品で用いられたのもご愛嬌かと。このJホラーお得意のパターンって、人を生理的に確実にビビらせるパターンではありますがビビらせることに特化した長めの時間帯が必要になるわけで、その時間帯には映画的•ストーリー的に大事なことが何も起こらない(ていうか起こせない)じゃないですか?なので私は安心して倍速とか早送りで見れたので時短に役立ち嬉しかったです(時短加点あり)。早送りで見る人に優しい作品かと。


第1話『追い越し』中村義洋監督。
【キーワード】心霊スポット巡り。深夜の田舎道を一人で歩く女性。追い越す。4.5

第2話『影男』安里麻里監督。
【キーワード】黒い男(影男)。ホームインベージョン。電話の音。2.5

第3話『尾けてくる』安里麻里監督。
【キーワード】首吊り。2.0

第4話『一緒に見ていた』大畑創監督。
【キーワード】首吊り。教師の職場恋愛。ビビる男の顔芸。振られた女が化けて出る系。あるいは振った男の幻覚。2.0

第5話『赤い女』大畑創監督。
【キーワード】都市伝説。ホームパーティ。怪談を聞いた人は赤い女に襲われる。高校生。3.0

第6話『空きチャンネル』岩澤宏樹監督。
【キーワード】高校生。深夜にラジオの空き周波数から聞こえる番組。2.0

第7話『どこの子』岩澤宏樹監督。
【キーワード】学校の教師。職場での深夜残業。謎の少女。電話の音。2.0

第8話『続きをしよう』内藤瑛亮監督。
【キーワード】霊的少年少女。お墓で遊ぶ。座敷童子的な何か。4.5

第9話『どろぼう』内藤瑛亮監督。
【キーワード】霊的少年少女。集落。噂話。ご近所さんの謎。3.8

第10話『密閉』白石晃士監督。
【キーワード】何度閉めても開くクロゼットの扉。電話の音。謎のスーツケース。3.3
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